Tony Sings The Great Hits Of Today!/Tony Bennett | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和元年5月21日(火)
Tony Sings The Great Hits Of Today!/Tony Bennett(★★★☆☆)


Side 1  
1.MacArthur Park(J. Webb)3:22
2.Something(G. Harrison)3:19
3.The Look Of Love(H. David - B. Bacharach)2:49
4.Here, There And Everywhere(J. Lennon - P. McCartney)2:44
5.Live For Life(F. Lai, N. Gimbel)3:43
6.Little Green Apples(B. Russell)2:49

Side 2
1.Eleanor Rigby(J. Lennon - P. McCartney)3:38
2.My Cherie Amour(H. Cosby, S. Wonder, S. Moy)3:50
3.Is That All There Is?(J. Leiber - M. Stoller)4:33
4.Here(Gene Lees)3:36
5.Sunrise, Sunset(J. Bock, S. Harnick)3:37

Tony Bennett(vo), Peter Matz(arr, cond), Dee Barton (arr : A6)

Recorded 1969
Released by Columbia ‎– CS 9980

雨上がりの朝だ。
木々の若葉に水滴が輝いている。
七時過ぎに地震があった。
短い揺れだったが地震は怖い。

今日から24節季は“小満”。
七十二候は“蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)”だ。
上皇后は蚕の幼虫を手のひら一杯に載せて慈しんでいたが
ヤママユの幼虫や成虫も平気なのだろうか。

アタシは幼虫はなんともおもわぬが
孵化した成虫を見ると躯が硬直する。
毛の生えてぼってりした蛾は不気味だ。
夜中にあんな奴がばたばた飛んできたらアタシゃ失神するだろう。

久々にベネットを聴こう。
69年の録音、コロムビアのオリジナル盤である。
ちょいとジャケットのデザインが安っぽい。
内容がPopだからそれに合わせた雰囲気だ。

ビートルズの曲が3曲入っている。
Jazz歌手の選曲ではないところが面白い。
この選曲はベネットの目論見なのだろうか。
シナトラなら選ばぬ曲目である。

針を下ろすと中低域の充実したやわらかなオケ伴が心地よい。
ピータ・マッツの編曲である。
ジム・ウエッブの“MacArthur Park”はゆったりしたオケ伴に
ベネットのテノールがよく合っている。

“Something”はラテン・アレンジでびっくり。
ベネットのリズム・ラインの崩し方が新鮮だ。
こういう歌唱もあるのだ。
“The Look Of Love”のアレンジはいけません。

タイコがしっかりとビートを刻むのはいかにも60年代末の流行だが
タイコが出張ると急に安っぽくなるのはなぜか。
“Here, There And Everywhere”は4ビートのスイングで
これまたユニークなアレンジだ。

“Live For Life”の気怠い雰囲気はヨロシイ。
このアレンジでやってほしかった。
ボサノバ・リズムを抑え気味にしたのはよかったが
ちょっと昼メロ風なのは惜しい。

“Little Green Apples”だけディ・バートンのアレンジだ。
現代的だがブラスの使い方が垢抜けているのがよい。
全曲ともバートンのアレンジにしたほうがよかった。
裏面は“Eleanor Rigby”から始まる。

不気味な入り方をするオケ伴がサスペンス・ドラマみたいだ。
おどろおどろしいアレンジには意表を突かれた。
しかも歌詞の朗読が入るあたり、正にTVドラマである。
マッカートニイの作風とずいぶん違っている。

“My Cherie Amour”は一変してロスやベガス風の
穏やかなバラード・アレンジでこちらがずっとヨロシイ。
どうもピータ・マッツ君の編曲は振れ幅が大きい。
グラミーやエミー賞を得ている指揮者だがこのアルバムには合わぬ。