FAIRYTALE/Donovan | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


FAIRYTALE/Donovan(★★★★☆)

Side 1
1.Universal Soldier(Buffy St. Marie)
2.To Try For The Sun(Donovan)
3.Sunny Goodge Street(Donovan)
4.Colours(Donovan)
5.Circus Of Sour(Paul)
6.Summer Day Reflection Song(Donovan)

Side 2
1.Candy Man(arr : Donovan)
2.Jersey Thursday(Donovan)
3.Belated Forgiveness Plea(Donovan)
4.Ballad Of A Crystal Man(Donovan)
5.The Little Tin Soldier(Phillips)
6.Ballad Of Geraldine(Donovan)

Donovan(vo. g, banjo, harmc), Shawn Phillips(g), Harold McNair(fl), Brian Locking(b), Skip Alan(ds)

Recorded Sept. 1965
Released by Pye Records ‎– NPL 18128 / Hickory Records ‎– LPM 127

今日は大寒。
気温は高く過ごしやすい朝だ。
来週には強烈な寒波がくると予報が告げている。
気温が低くとも雪さえ降らねば構わぬ。

今日から七十二候は“欸冬華(ふきのはなさく)”。
初詣のイザナギ神社の境内には黄色の蕗の花が咲いていた。
ちと季節外れという気がした。
今日は二十日正月の地方もあるだろう。

ドノヴァンの二作目のアルバム。
フォークに手を出すつもりはなかったのに
ジャケット見たら懐かしくなって衝動買いしちまった。
中高生の頃の深夜放送で掛かっていたドノヴァン。

かっちりしたスリー・フィンガーのギターが格好良かった。
ドノヴァンはアタシより五歳年上である。
ガキの頃、近所に年上の兄ちゃんが居て
二階の窓に腰掛けてギター弾いたりして実に格好良かった。

本人は裕次郎を気取っていたんだろうが、
ガキのアタシにはそんなことは知らなかった。
ガキは順調に育って深夜放送を聴くようになった。
深夜放送は中高校生には欠かせぬ玉手箱だったねえ。

アタシはFOLKよりもROCKのほうが好きだった。
当時沸き起こったサイケデリック・ブームにはずいぶん影響された。
ドノヴァンもサイケやワールドミュージック風の演奏をするようになった。
このアルバムにもその芽生えが窺える。

英国はなかなかオモシロイ国である。
米国と違って古い歴史があり、中世の匂いが未だに残っている。
グラムやパンクは米国には似合わぬ。
もっともフォークも英国には似合わぬ。

グレッグ・レイクの曲に潜む古めかしいフレージングは
米国にはないものだ。
この二枚目のアルバムでは、ドノヴァンがまだ方向性を決めかねている。
一曲目の“Universal Soldier”など米国発売で焦って演ったとしかおもえぬ。

この数年後にビートルズの連中とインド旅行をしてサイケブームまっしぐら。
だが“Mellow Yellow”あたりからアタシは興味が薄れたね。
ドノヴァンの人気が薄れたのは耳に残る旋律が書けなくなったからだ。
マッカ-トニイの凄さは終始一貫して豊かな旋律が書けることだ。

あれから四十年以上経った。
このドノヴァン二作目は斜陽の大英帝国の未来を暗示していたかのようだ。
英国音楽の奥深さは米国とはまったくちがう。
英国のROCKをアタシは今も好きだ。