漫画「大正処女御伽噺」の26話をスマホで読んだので、その感想を書いていこうと思います。
今回の話は、珠彦の妹「珠子」を中心に展開していきます。
珠子は志磨家5人兄弟の末っ子で、3人の兄と姉が1人。
でも、5人のうち両親が同じなのは珠彦だけで、他は所謂、腹違い、種違いの兄弟でした。
そして、母親を事故で亡くし、子供に関心を示さない父親と3人の兄からは無視され、7つ違いの姉からは精神的な虐待を受けながら成長していきます・・・
・・・なんか、こうして一人のキャラクターを言葉として書いてるだけで、とても悲しい気持ちになりますね・・・
でも世の中には、珠子と同じような境遇の子って、意外と多いのかも
愛情のない家庭で、関心を持たれることなく無視され、甘えることも許されず、誰も助けてはくれない・・・
そして、これに追い打ちをかけるのが姉の「珠代」です
珠代は、珠子が恐怖に怯え、恐れおののく表情を見ることに無上の喜びを感じるという、狂気じみた精神の持ち主・・・ヤバすぎる・・・
こういう家庭環境で成長する中で、自然とこう考えるようになりました・・・
「人に助けを求めて拒絶され傷つくくらいなら、独りで強く生きていく方がいい・・・」
私の知人にもこのタイプの人がいるので、なんだかリアルに感じることが出来ますけど・・・一緒にいると、ちょっと疲れます・・・
・・・私が基本的にのんきで、すぐに人様に甘えてしまう甘ったれだから、波長とか波動みたいなものが、合わないんでしょうね~きっと
でも、こんな珠子でしたが、夕月や綾と出会い一緒に暮らす中で、珠彦と同じように少しずつ少しずつ変わっていきました。
「人は損得でしか動かない」・・・と信じていた珠子に対し、夕月と綾は、まったく見返りなど求めない無償といえる愛情を注ぎ続けてきました。
初めは慣れないことに反発もしていましたが、今では素直に相手の思いを受け止めて喜ぶことが出来るようになっています
調理中のやけどで、右手が使えなくなった時には、怒られることもなく、無視されることもなく、心から心配して様々な世話をしてくれる・・・
温かいごはんを、みんなでワイワイと食べることが出来る・・・
こんなの当たり前と思いがちですけど、世の中そうではない人もいるのは確かです
私の母は以前、とある田舎の児童養護施設で食事を作る仕事をしていました。
ここにやってくるのは、家庭に様々な問題を抱え、素直で純粋な心を忘れてしまった都会の子供たちです。
母は働く中で、「この施設にやってくる子供たちは、家庭でまともな食生活をしていない」・・・ということを知ります。
そこで、とにかく美味しいものを食べさせようと、様々な工夫をしながら食事を提供しつつ、一人ひとりに気軽に声をかけていました。
そうすると、最初はカラに閉じこもって、目に輝きなんてなかった子供が、ちょっとずつ変わってくるんですね
「いただきます、ごちそう様でした、美味しかった~、また作って~、今度はアレ食べたいよ~」・・・などなど、無言で食べていた子供が次第に返事をしてくれて、キラキラした笑顔を見せてくれる・・・
母はよく、「子供たちは愛情に飢えてるから、食事にたっぷり愛情をこめて食べさせてあげてる・・・」という感じのことを言っていました。
心を閉ざしていた珠彦や珠子も、夕月や綾の絶え間ない愛情攻撃を受け、素直な心を取り戻すことが出来ましたからね
そして、素直に人の好意を受けることが出来るようになった珠子は、医師として人を助けるために、神戸で医師をしている叔父のもとで勉強するため旅立ちました
今の珠子なら、患者さんの気持ちも理解できるような、素晴らしいお医者さんになれると思いますね