小国賛歌 | 満願寺窯 北川八郎

満願寺窯 北川八郎

九州、熊本は阿蘇山の麓、小国町、満願寺窯からお送りするブログです。
北川八郎の日々の想いや情報を発信してまいります。

「光る足」

1999年2月から2000年12月まで百回にわたって毎週火曜日 熊本日日新聞のコラム「ワラブギ談義」の原本を10年ぶりに開きました。当時53才~55才。当時から伝えていることは変わりなく その心を読み返したく連載します。


2000・12・26 no100 連載最終号


ここ熊本県最北部の小国の里に偶然移り住んだのは17年前のことだ。今 あらためて振り返ってみても 日本中こんないい所は少ない。


小国の前は信州の上田だった。空に浮かぶ雲をかぶった山々は雄大で 春と秋の木々の変化や花の美しさは例えようがなかった。しかし ここ阿蘇外輪山北部の里は湧水が豊かでおいしく 田が多く お米がよくとれることに感激した。


美しい景色のビューポイントを数えると百景は超してしまうだろう。空気がきれい。抜けるような青い空の日々。草原が広くススキの野が果てしなく続く高原と落葉樹の森。星座が特定できないほどの星のきらめき。湧水・清流・なだらかな丘・巨木の森・春秋の移り変わりの確かなこと。黒い土と大根畑・小さな小学校・降り積もる雪・たくさんのおしゃれな店。


きわめつけは温泉がいたる所にあることだ。水もお米も野菜もおいしい。太陽のおふとんのある土地 それが小国だ。心から 小国に住めたことを感謝しています。


この「ワラブキ談義」も今回をもって終了することになりました。この欄を読んで下さった方 電話や手紙を下さったたくさんの方 また満願寺温泉まで訪れてくださった方々に心よりお礼と感謝を申し上げます。次の21世紀が皆さんにとって 日本にとって 地球上の生きとし生けるものにとって 上にも下にも 幸多き百年紀でありますように心からお祈り申し上げます。