はなちゃん。 | 漫画家の犬たち

はなちゃん。

突然ですが、はなちゃんが昨日旅立ちました。

すっかり陽も落ちて、『今夜はスーパームーンだね。みんなでバルコニーからお月見しようか。』と言っていた矢先の出来事でした。
昨日はなちゃんはいつも通りにご飯も食べ、特に変わった様子はなかったのですが、ウンチできばった時に『アン!』と大声で鳴き、そのまま倒れアッという間でした。

獣医さんに事情を話すと、『もうかなりの高齢で、心臓と脳に持病もあったので、いきんだ時にどちらかに負担がかかってしまったのだろう。老衰からですよ。』と言われました。

夏が過ぎて老け込んでいたはなちゃんと茶壺でしたが、はなちゃんは今月9日の台風18号の影響で天気が荒れた時にずっと興奮し続けて以来、さらにドッと老いが加速しました。
特に雨の日は様子がおかしく、今までそんなことはなかったのに夜になると徘徊し壁で行き止まって進めなくなると、夜中に何度も鳴いてワタシを呼ぶようになっていました。
そして、後ろ脚が急激に衰えていき、しっかり4本の足で立って食べていたご飯を、お座りのポーズで食べるようになりました。

また、排泄物の上に座り込んだり、やたらとその場で踏み散らかすようになり、もともとマラセチアで2、3日おきに薬用シャンプーしておりましたが、最近は体を洗ってあげるのが日課のようになっていました。

脳に疾患があるので、台風の気圧の変化で痴呆が進んだのかなぁと思っておりました。

それでも日中はグーグーと寝てばかりになったので、明るいうちでしたらある程度の時間外出するのも支障ありませんでした。
真夜中に何度も起こされて少し疲れはありましたが、長編漫画の連載時は〆切1週間前から4時間以下の睡眠時間でしたし、〆切の2日前あたりから一睡もしない状態でしたので、それに比べれば体力の余裕もあるし辛くありませんでした。

はなちゃんの痴呆はこれからますます加速していくだろうから、長期の介護を覚悟しなければいけないなと思いました。


先週土曜日に猫屋敷を掃除した後に、何人かのスタッフさんと近くのデニーズで軽くお疲れさまの乾杯をしました。
はなちゃんはもうこんな状態なので、里親さんが決まるのは難しいだろうから、ワタシが最後までめんどうみるよとみなさんにお伝えしました。
アルマの代表にも、猫屋敷の猫たちの里親募集が始まり一段落着いたら、看取り覚悟でうちの子にするとお伝えするつもりでした。


なぜワタシはあの時、土曜日の時点で代表にそれを告げなかったのだろうかと、今は悔やみます。
そうすれば、ほんのわずかな時間ではありますが、はなちゃんの本当の家族として過ごせたのです。
はなちゃんに、本当の家族ができたのです。


半年間ティアハイムで代表やスタッフさん達に大切にお世話され、引き継いだ子です。
本当の家族を見つけてあげることができずに、スタッフのみなさんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。


代表に、最後はワタシの子として見送らせてほしいとお願いし、蛍と同じお寺さんで荼毘に付すことにしました。
昨夜お寺に連絡すると、御担当の方につながり、本日2時頃に火葬することになりました。

長く側に置いておきたい気持ちもあります。
しかし、蛍の時は体が小さかったせいもあるのか、亡くなって2日が過ぎたあたりから体の水分が抜けて、ああもう魂も抜けて器だけになったのかと空しさを感じました。
今はなちゃんは、あどけない幼子のようなお顔で寝ています。
この状態で、お空に旅立たせてあげようと思います。


あまりにも突然のことで、一晩中頭が整理されませんでした。
夜があけて明るくなり、気持ちも落ち着いてきたので、淡々と書きつらね皆様にご報告させていただいております。
でも、まだまだ実感がわきません。


脳の障害で感情を表さなかった、はなちゃん。
楽しいこと、嬉しいことはありましたか?
幸せを感じることはあったのでしょうか?

もっともっと、もっともっと、あなたに幸せを感じさせてあげたかったです。


まだ気持ちの整理がしっかりとついた状態でないご報告で恐縮ですが、はなちゃんを応援してくださった皆様に心より感謝申し上げます。
はなちゃんに温かなお気遣いを、本当にありがとうございました。


もしよろしかったら、2時ぐらいにお空を見上げて、はなちゃんを見送ってあげてください。