公明党がそこそこの抵抗をしていますので、改憲が安倍自民党の思惑どおりに進むかどうかはわかりませんが、与党内で妥協が成立して改憲が国会を通過するという事態も、一応国民としては想定する必要があるでしょう。
最も引っかかる点は、国民投票のやり方です。
本来ならば、改正する条文1か条ごとに国民の賛否を問うべきですが、自民党の言う改憲の趣旨から見て、おそらく改憲案は複数の条文を一括して国民投票にかけられるでしょう。
引っかかるというのは、多くの国民が賛成する改定条文と反対する改定条文とが抱き合わせで賛否を問われるという点です。
つまりミソとクソとが一緒くたでも、国民にはオール・オア・ナッシングいずれかの二者択一しかないということです。
クソが混じっていてもミソの比重が高ければ賛成しても良いと多くの国民が考えるかもしれません。
実際、国政選挙で政党別の政策を見た場合の判断はそうなっているようです。
最近の世論調査の結果を見ても、安倍内閣の改憲には反対だが、安倍内閣は支持するという国民がたいへん多いという事実があります。
こうした国民層は、国政選挙では常に自民党に投票する層でしょう。
しかし国政選挙と改憲とでは性格が違います。いや、ほんとうは同じなのですが、国政選挙は長くて4年でその結果についての反省を次の選挙で生かすことができますが、憲法となると、いったん制定してしまったら、そう簡単に軽々しく変えられるものではありません。
クソ条文でも国民投票で認められれば、すべての国民に対してそののち何十年も効力を発揮し続けます。
だからクソが1個でも混じっていたら、たとえ他の条文がミソであったとしても、そのような改憲案は国民の手で葬り去らなければなりません。
クソとミソを一緒くたにする愚は避けたいものだとは思いませんか?