「木や草や山や川がそこにあるように
人間もこの自然の中にあるからには
ちゃんと意味があって生きてるのだ
あらゆるものと つながりを持って……
そのつながりの中で
おまえは大事な役目をしているのだよ」
出典：『ブッダ 第４巻』、
手塚治虫、潮出版社、P355より
ブッダの大切な教えの一つ「縁起」。
ここでのセリフはこの「縁起」について
述べていると思います。
「縁起」とは、ものすごくシンプルに言えば
全てのものごとや存在は、
他のものごと、存在との関係性の中で
その存在が規定されるということ。
たとえば「私」とは何か述べようとしても、
「住んでる場所は○○で、好きなものは△△で
過去には■■をやって、未来には□□を目標としている」
というように、どこまでいっても「他者」との関係性でした
「私」を語ることはできない。
つまり、何か存在「そのもの」というものは、
「そのもの」それだけでは実際は存在できなくて、
その周りにあるもの、
「そのもの」でない他者によって規定されたり
特徴づけられなければ
存在しえないということです。
私の理解ではね。
だから、この世にあるものは、
存在しなくてもいいものは一つもなくて
何か一つが欠けるだけで、もう、
この世そのものが、本来の姿ではありえなくなってしまう。
この世に存在しているものは全て、
その存在無くてはこの世を成り立たせられない
それくらいのインパクトを持っている、ということです。
人間であれば、なおさらそのインパクトは大きい。
どんな人も、その人が欠けるだけで、
この世が存在しえなくなってしまう、
そんな大切な役割を、
私たち一人一人が抱えているわけです。
だから、あなたも私も、ただここに存在しているだけで
それは奇跡的なことだということ
誇らしいことなんだと
機会あるごとに思い起こしましょう。
人は、自分の思う通りになると言います。
思考は現実化するということですよね。
だったら、自分のことを卑下したりせず、
自分の誇らしさを、過剰なまでに思い起こすようにしましょう。
他人と較べて優れているから存在価値があるんだということが本質ではなく、
（この場合、他人の存在を前提として、自分の価値を測っています）
ただ、今ここに存在できていること、そのものが奇跡的なんだということ
この事に意識を集中して下さい。
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