東京・パリ 高橋真琴 原作:春名誠一『少女』1959年(昭和34年)5月号 少女雑誌で初めて描かれたストーリー漫画は手塚治虫「リボンの騎士」で、これに続いたのが、うしおそうじ「しか笛の天使」であった。少女漫画の描き手を男性漫画家が担っていた商業誌に、貸本から発表の場を移した女流漫画家の牧美也子、わたなべまさこらが独自のスタイルを掴むべく模索している時代に、少女漫画らしい絵を描く作家として現れた変革者、それが高橋真琴であった。バレエという華やかな世界を物語の題材に据え、外国を舞台にして、美しい色彩で描かれた緻密できらびやかな絵とコマ割り、大小の道具、ファッションは少女たちの大きな支持をうけ、やがて少女漫画の主流になった。高橋真琴のストーリー漫画は光文社との約束で、『少女』でしか読めない作品でもあった。

 

高橋真琴・・・1934年、大阪府に生まれる。23歳で上京。赤本漫画を経て貸本漫画「さくら並木」「パリ〜東京」などを発表。57年、『少女』夏の増刊号に「悲しみの海べ」を発表し雑誌デビュー。翌58年1月号から始まった巻頭オールカラー連載「あらしをこえて」で爆発的な人気を得た。同誌に「プリンセス・アン」「プチ・ラ」(いずれも橋田壽賀子:作)、「東京・パリ」(春名誠一:作)を連載する。その後、雑誌の挿し絵、表紙、グッズなどイラストレーターとして活躍。89年、自作を展示した真琴画廊を千葉県内の自宅敷地内に開く。

 

 

夜の庭にきえていくサチを、マリ子はむちゅうでおいかけた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 参考資料:戦後少女漫画史・現代漫画博物館

 

 

 

 

 

 

 

 

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