🤣私の出会った「漫画家追悼抄」記 50幕🥲

★望月あきら (モチズキ アキラ)   その3

  静岡県吉原市生まれ。1937年4月23日~2022年12月

享年85歳

  ・代表作…『サインはV』『ゆうひが丘の総理大臣』『ズームアップ』『カリュウド』など多数 

 ・『漫画新聞』・1981年8月 20号「漫画家訪問記」の筆者との対談より再編集

★とにかく描いて描いて描きまくれば実力はつく★

 木村・アイデアが出ない時やスランプに入った時の解決策は……

 望月・誰でもスランプがありますよね。しかし僕はスランプなんて我が儘と思っているので、"そんなことを言っている暇はないのだ"と自分に絶えず言い聞かせています。アイデアが出てこなければ、ジッーと考えるしかないのです。どうしても出てこなければ、色々な人と話し合いをするようにして、そしてアドバイスを受けます。

 木村・プロになり24年間、嬉しく感じた思い出としては……

 望月・背水の陣で友人に片道代の電車賃を借り、腹ペコで東京の出版社へ原稿を届けたのです。その時の編集長が僕の様子を見て、2000円原稿料の前借りを出してくれたのです。……その日はどこで寝ようか、飯代はどうしょうかなんて考えてましたので、2000円をみた時は涙が出てきましたよ。今でも大感謝しています。一生忘れることのできない思い出ですね。

 木村・漫画家を目指す人にアドバイスをお願いします。

 望月・うまくなりたかったら、沢山描くしかないのではないでしょうか。よく漫画家の人はどうゆう道具を使っているかなんて聞かれます。それを使わないと上達しないように思っている人が大勢いるようですが、道具をそろえても決して上達しませんよね。とにかく、コツコツと描く努力を身に着けてほしいですね。"一生懸命に描くしかない"この一言です。

※オリンピックが開催するたびに「サインはV」の著者・望月先生のことを思い出します。台湾が初めて電子書籍システムを開発して、私も協力した時に、望月先生の作品の版権に協力していただき、配信しましたところ断トツの人気になりました。そのことをご報告したら「嬉しいね~~海外の人たちが僕の作品を読んで楽しんでくれるなんて、漫画冥利につきるよ」と大喜び。その後、中国での配信も同じでした。後年は作品をお描きになられていなかったようですが、年賀状は毎年いただきました。心優しあたたかな先生で、私にとって漫画界で今日まで育ててくれた大恩人です。ご指導ありがとうございました。ご冥福を心よりお祈りいたします。

       合掌

※新年は「村野守美先生の追悼抄記」です。

 

 

 

 

 

 

 

(2023年12月30日のFB投稿より)