春の怪談 | しろくろ&しましま+3

春の怪談

時期的には早いのですが、怪談です。



もう、4~5年前になるでしょうか。

今のマンションアパートに移り住んで、半年程過ぎた時分のことです。


2日と空けず、家の中のあちらこちらで、奇妙なことが立て続けに起こりました。


貼ってあったカレンダーが落ちる。

今まで微動だにしなかったぬいぐるみが倒れている。

廊下の電球の寿命が異常に短い。

ステレオのカセットテープを入れる処が開いている。


取るに足らない、ともすれば見過ごしてしまうような、些細な出来事ばかりでしたが、

続け様に起きると、さすがに妙な気持ちになります。


その内に・・・


3年間鳴らなかったオルゴールが、突然鳴る。


2年間鳴かなかった、光センサー式の猫の置物(電池はとっくに切れているはず)が、


『ニャーニャーニャー』 と鳴きました。


一番驚いたのが・・・・・


二人で座ってテレビを見ていた時、


テレビのボリュームが、突如!


グングン!グングン!上がりだしたのです!


遂には最大ボリュームになりました!


てっきり、カーチャンが、お尻かどこかでリモコンを踏んづけているのだろうと思った私は、


トーチャン『何しとんねん!リモコン踏んどるやろ!』

テレビのボリュームが最大になっているので、デカイ声です。


カーチャンもデカイ声で、指をさしながら答えました。


カーチャン『リモコンそこやぁ!』


テレビのリモコンは私達の座っているテーブルの上に有りました。



それまでは、何が起きていても、驚くようなことはありませんでした。

『何かおるんかね?』

『何かおるんやろな。』

と私達は、半ば『シカト』に近い反応をしていました。


初めて胸が『ドキ~ン』としました。

『ドキ~ン』としたのは、音が大きくなった時ではなく、

「リモコンがそこにある」 のを見た時なのは言うまでも有りません。



そして、夫婦間で協議が行われました。

出た結論が・・・


この家には何かがいる。

しかしながら、特に実害はない。

ビックリはしたけど、恐い思いもしていない。

不幸なことも起こっていない。

むしろ、新しい住居は快適であり、近所の人とも仲良くなった。

宝くじも当たった。 ← 5万円ですけどね。

かなり幸福に上向いている。


つまり・・・


『幸運の座敷童子(ざしきわらし)が来た♪』


ということに落ち着きました。


☆座敷童子(ざしきわらし)の解説

 『東北の古い家屋に住み着く、子供ような姿の妖怪。

 座敷童子が住み着いた家は栄える。いなくなると、その家は没落して行く。

 いたずらが大好き。』


こうなると、次に考えるのは、


『座敷童子を逃がしてなるものか!』


ということです・・・浅ましいですが・・・


2~3日に一度の割合くらいで、お供え物をしました。


お皿の上に、コンビニで買った「お饅頭」を乗せてテレビの上に置いておきました。

「お饅頭」を置くときには、「食べろよ~」等の声を掛けるように心がけました。

実際に、お供え物が食べられていたことは有りませんでした。

翌日にそのお供え物を食べていたのは私です。 Σ(゚∇゚*)ギク!


それから2~3週間程だったでしょうか。

こちらもすっかり気に留めなくなっていたのですが・・・


パタッ・・・・・


と怪奇現象は無くなりました。



カーチャン『ザシワラ、おらんようになったんかなぁ。』

トーチャン『そーゆうたら、最近ザシワラ何もせぇへんな。』

カーチャン『お饅頭ばっかりやったから、飽きたんかもなぁ。』

トーチャン『チョコとかの方が良かったんかもな。』


ザシワラ(私達はこう呼んでました)はいなくなったようです。


ザシワラは去りましたが、不幸は全く訪れませんでした。




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今では家の中で何か異変があったとしても、

全ての事柄は「コヤツラがやったな」でカタが着きます。



『今は君達が幸運のザシワラ♪』



昨日の大吉 6.2kg

昨日の虎丸 5.1kg