娘は現在アラサー。

 

これは今から20年ほど前のこと。

 

***

 

 

トマト

 

 

1年生と6年生で学校でトマトを育てることになり、娘は毎日水やりをしました。

 

水やりをしていたのは、娘だけでした。

 

秋。

 

トマトの苗をくれた某企業が、学校に賞をくれたのです。

(なんの賞かは覚えていないあせる

 

その某企業の企画で、東京の会場で賞をとった小学校の子どもたちが、トマトの成長の様子を発表することになり、6年生から代表者3名が東京に行くことになりました。


6年生は3クラスなので、1クラス1名代表者を出すことになりました。

 

前日に新幹線に乗り、東京のホテルで泊り、翌日発表 という流れです。

 

 

みんなが東京に行きたくて、ソワソワ。

 

「どうやって、代表者を決める?」

 

「じゃんけん?」

 

「くじ引き?」

 

 

そこで担任の先生。

「ちょっと待って。向こうで発表せなあかんねん。

だから、発表できる子に行って欲しい」

 

それを聞いたみんな。

 

「………」

 

 

ひとりの女の子が

 

「それなら、毎日水やりをしていた人がいいと思う」

 

と娘を指名しました。

 

その意見に、ひとりの男の子が

 

「毎日見ていたんだから、発表できるしね」と言いました。

 

あとから担任の先生が私に

 

「他のクラスはすごくもめて、決めるのに時間がかかったんですよ。

うちは、おかげですんなり決まりました」

 

と話してくれました。

 

その頃、夏休みから関東の発達障害の子を受け入れている私立中学校に何度か行っていたので、関東方面はもう「カンベンして」と思っていたのですが…。

 

しかも、東京へ行く前日は関東の私立中学校を授業見学した日でした。

 

 

 

 

それに東京行きは、できれば保護者同伴でということで。

 

付き添いの先生が3人の子どもを一人で見るのは大変だから…と。

 

娘は、「お母さんも行く」 と決めつけていました。

 

子ども分の宿泊代・交通費は出るけれど、保護者分は自腹。

 

半年の間に関東方面の新幹線にこんなに何度も乗ることは、その後ないです。

 

 

東京に行く前に、Sママさんに言われました。

 

Sママさんは、娘を3人グループからはずした子のママです。

 

 

 

 

私とはPTAで3度ご一緒しました。

3度目は、私から「一緒にしませんか?」と誘った方。

しっかりしていて、責任感のある方だから誘いました。

 

Sさんの娘さんは娘を外した子だけど、ママさんは信用できる方です。

 

そのママさんが、

 

「娘ちゃん、東京行の代表になったんでしょ? Sがうらやましがってたわ」

 

と。

 

なぜ代表になったかまでは、知らないようでした。

 

もし、トマトを植えた段階から東京行きがあるって知っていたら、みんな毎日世話していたのかな?

 

わたしは、頑張った娘が思いがけないプレゼントをもらった気がしていました。