私は、ふわふわした
柔らかい手触りのものが
大好きです。
子どもの頃、猫と暮らしていたからだと思います。
私の実家は、戦前、製糸をしていました。
蚕(かいこ)という虫を飼い、
その蚕のはきだした糸をとって
玉繭(たままゆ)を作る仕事です。
たくさんの蚕に桑(くわ)の葉を
毎日食べさせます。
その桑の葉をネズミが食べに来るので
ネズミ退治のために、
何匹も猫を飼っていたのです。
私が子供の時にも、その猫の子孫が
残っていました。
家に何匹も猫がいるので、
学校の友達は、私の家のことを
「猫屋敷」と呼んでいました。
そのうちの一匹が、ベスという名の
年をとった茶色のとら猫でした。
ベスは、同じ敷地内に住む
叔母の飼っている猫でしたが、
毎日私の所へ来ていました。
朝、目が覚めると、私の布団の中に
ベスがいました。
寒い冬の夜は、湯たんぽ代わりで、
とても暖かく、柔らくてふわふわした
ベスといっしょにお布団に入ると
とても幸せな感じがしました。
ベスは12歳まで生きました。
当時としては珍しく長生きで、
まわりの大人は皆、
大往生したと言っていました。
何匹も猫がいたので、
何匹も猫が死ぬのを見ました。
2,3歳で急に亡くなってしまう子も
少なくなかった。
でも、まあ、田舎の猫は
自由気ままに生きていました。
エサ(残飯ですが)は朝晩あげていましたが、
いつも、ネズミ、とかげ、かえる、せみ、ゴキブリ、
時にはへびも捕まえて好きに食べていました。
鶏舎があり、鶏も50羽ほどいて、
たまに、その鶏に手を出すおバカな猫も
いました。
それでも、頭をひっぱたかれて終わり。
そんなワイルドな猫ばかり見てきたので
今、こういう住宅地で、
猫ってどんなふうに飼うんだろうと思います。
犬と同じで、猫もきっと室内飼いする種類が
あるんでしょうね。
どの猫さんもみんな、
幸せな人生(猫生)をまっとうできますように。