先日、新聞で、個人が所有している重要文化財のうち、
かなりの数のものが、
今どこにあるのか分からなくなっているという記事を
読みました。
重要文化財に指定されているほど価値のあるものでも、
持ち主が、その価値を、受け継ぐ人に伝えて行かないと
持ち主の代が替わったときに、
人手に渡ったり、捨てられたりしてしまうのでしょう。
逆に、私が祖母や義母から譲られた食器のように、
何でもない器なのに、気に入られ、大切にされれば、
それこそ100年、150年と、
人の命を超えて受け継がれていくものもあります。
真新しい何かの形を、ながらく保っていくのには、
大事に蔵の中にでもしまい込んで、
ずっと眠らせておくのが一番かもしれません。
でも、書画なら、たとえ、たまにでも目の前に飾り愛でてこそ、
道具なら、毎日使って役立ててこそ意味があると思います。
書や器や道具類が、長らく受け継がれていくために
持ち主に必要なもの。
一、好きで大事に思う気持ち
何と言っても、まずは、これ!
二、守っていこうという意志
自分がいなくなった後のことも考えて手を打つべし。
自分にとって大切なものが、ふつう、
他人にとっても価値あるものだとは限らない。
三、守っていくための技術
手入れや修理の技術(体力も含む)は
欠かせません。
四、守っていくのにかかる費用
手入れや修理の材料や、ときには
直してくれる職人さんへの手間賃もいります。
茶箪笥(ちゃだんす)の追加写真
これを作った人の遊び心が感じられるように、写せたでしょうか。
絵の描かれた紙の傷み具合も、前よりよく分かると思います。
和ダンスの中
上の戸棚の中は、引き違い棚になっています。
戸棚のある方は、和服を入れるタンスとは別の
上置きダンスです。