知識人と智慧の人
北海道の富良野へ仲間10人で、一泊二日の旅をしてきました。富良野には倉本聰(くらもと そう)さんという脚本家が暮らしています。
倉本聰さんは1980年代にNHKと喧嘩し、東京を捨て札幌へ流れてきます。その後、富良野へ移住し既に30年以上の歳月を送っていますが、その過程で書き上げたドラマが「北の国から」です。
この写真、黑板五郎が暮らす木造のあばら家……、僕が幼少の頃生まれ育った家にそっくりなんです。小学校4年生になった頃、こんな隙間風で寒々しい家を、朝4時に出かけ、雪の中、毎朝新聞配達をしていました。
北の国からは、北海道で暮らす者たちにとって、多かれ少なかれ、原風景が見え隠れするドラマでした。
「都会の連中は知識で生きているが、田舎じゃ知恵がなけりゃ生きられない」
倉本聰さんが北海道に移り住んだ時の素直な感想だそうです。知識なんてクソの役にも立たないと。
「文明は今や即席の時代となり、すぐに結果を出すことを求めて、そのために金やエネルギーを垂れ流す。だけど早く結果の出ることが善で、時間のかかることは悪というの価値観が、このまま人生の座標軸っていうことを信じる生き方に疑問はないかね」 by So Kuramoto
富良野へ行くたび、または「北の国から」をDVDで見直すたび、僕は色々なことを考えさせられる。
僕たちは便利を手に入れたけど、その便利を得るためにどれほどの自由を手放してしまったことか。本当は不便だったけど、不便だからこそ自由であったような気がしてならない。無駄な努力、とか、無駄な時間、というのを徹底的に嫌う世の中だけど、そんな無駄な努力や、無駄な時間、その中にこそ大切な想像力が隠されているのだと思う。by Shinji Nakamura
今年の夏、全国で永業する仲間たちが富良野に集まり勉強します。不便な暮らしというものを少しでも感じてもらえたなら……きっと、永業の醍醐味に近づけるのかもしれません。
中村信仁


