親と子、子と親
昔、母はいった。
「親、という字をよく見てごらん・・・木の上に立って、いつも見ているって書くだろう」
いつも高い処に登って遠くまで見渡せる準備を怠らず、子供のことを見守っているのが親なんだと。
昔、父はいった。
「今日の終わりに、いい一日だったと思えるように生きなさい。すべては思い出にかわるのだから」
朝になれば、すべては心の中におさまってしまう。いいことも悪いことも。だから朝を迎える前に、今日もいい一日だったと感謝の心で満たすんだよと。
今更ながら思う。
言葉は年月とともに磨かれるのだと。
その時は何とも思わなかったことを、年月が磨き、月日の中で輝きだす。
年月とともに磨かれるような言葉を、我が子に残せているだろうか…。
中村信仁