本番を控えた子に
他の人の演奏を聴かせることの是非。


ほんの短い時間でしたが
色んなことが頭を駆け巡りました。

本当に出ないと言うんじゃないか…


そうだ
音楽を楽しんでいる
かてぃんさんを一緒に見よう!


…いやいや
これは危険じゃないのか注意
以前、恩師が仰っていたことを
思い出しました。


「◯◯ちゃんの演奏が変わっちゃって
なんかあったか聞いたら
辻井さんのコンサートに行ってきたと聞いて
腑に落ちた…。」

当時、小学生の生徒さんの
ことだったように記憶しています。
その時の先生の口調が
あまりいい印象でないと取れました。

きっと年齢や技量に合わない
作ったものになってしまっていた
からではないかと捉えました。


さあどうする。


つい直近にも本番があり
そのステージが
満足しきれなかったのが尾を引いて
立て続けの本番に
うんざり感も漂っていました。

人の演奏を見せてしまって
これが吉と出るかなんて
保証できない…
でも、
音楽が楽しいもの
大好きなものだと思い出して欲しい

天秤にかけて
後者を選ぶことにしました。

「見せたいものがあるの。
これ見つけた時
一緒に見たいなあって思ったの。
絶対喜ぶなあって思って。」



もう、それは喜んで
食い入るように演奏を聴いていました。
この曲が出てくる
トムとジェリーのお話が大好きなので
色々場面の説明をしてくれながら
一緒に聴きました。



一緒に見ながら

「この人、かてぃんさんのて言うんだけど
本当に楽しそうでしょ!
音楽は楽しむものなんだから
⭐︎⭐︎も頭の中に浮かんでるお話を
出せばいいんだって。
浮かぶでしょ?
トムとジェリーだったら
どんな感じかなあって浮かぶ?」



映像を見終わると
トコトコトコっと
自分からピアノに向かって行った。

そして
2日後に弾く予定の曲を
弾きはじめました。


その演奏は
それまで聴いた中で
イッチバン素敵な
ワクワクする演奏でした。

「ここはジェリーが出てくるところ!」

というように
感じているイメージを
説明してくれました。


とりあえず
また、ピアノを弾いてくれたことに
安堵。
そして、笑顔に安堵。