このところ、自分の中でモヤモヤとしているものがありました。
発表会の時、家で生ピアノで練習している子とキーボードで練習している子との差は歴然。
指のタッチもピアノの鳴りも違う。
音楽の世界では当たり前の色々なことも、そういう環境で育っていなければ、知らなくても致し方ないこと。
基礎を築こうとしてもそういうのを嫌がる子もいる。
自分が望む姿と現実との狭間で、グルグル…グルグル。
《答えは自分の中にある》
私の持論。
何かあった時、原因を他に求めてはいけない。
他に原因を委ねたくて、悶々としていたのかもしれない。
今日、車を運転しながら、誕生日の出来事をふと思い出し、車を停めてiPhoneのボイスメモを再生しました。
兄弟でも、レッスン室には一人ずつ入って貰うことになっています。
ある日、お姉ちゃんについて妹も一緒に入ってきました。
『珍しいね、今日はついてきたの?』
『先生、昨日誕生日やろ?』
中学生のお姉ちゃんか伴奏しながら、小学生の妹と二人で
『あなたに会えて』
をハモって歌ってくれました。
天使のような声でした。
泣けました。
この仕事をしていて良かった。
心からそう思えた瞬間でした。
車の中で、その歌声を聴き、涙が止まりませんでした。
思いあがりだ!
私は何を勘違いしていたんだろう。
その姉妹の家には卓上のキーボードしかありません。
でも、そんなあの子たちがあんなに感動させられる音楽を奏でてくれたではないか。
音楽の世界の常識を知らなくても、家にピアノがなくても、ごくごく普通の子だって、音楽が好きで、ただ好きで、ピアノをやったっていいじゃない。
そういう子達にも音楽に触れて欲しくて、裾野を広げたくて、私はこの月謝を貫いていたんだ。
見失ってはいけない。
大切なこと。
宝物。