私が呉暁さんの「リズムとソルフェージュ」をレッスンに取り入れたのは今から15年程前だと思います。

使い混んで中は色褪せ、表紙と本体が分離していてノリで修復した物も…。
当時は番号の横にやった子の名前を書き込んでいたので、その名前を見ると今はもう20歳。歳月を感じます。


ソルフェージュをレッスンに取り入れようと思った理由は幾つかあります。


私自身、音大への進学を決意し、Y先生にお世話になるまで全くソルフェージュというものの経験がありませんでした。
楽典はある程度理解していましたが、ソルフェージュ、コールユーブンゲン、聴音などはそこからのスタート。
耳コピは割と得意だったので、聴音は要領が掴めれば出来るようになっていきましたが、目で見た楽譜を声に出すことが、本当に出来なくて…。

特待生試験の時。
数人の先生方がズラリと並んで座っていらっしゃる前に、譜面台。
その前で立って新曲視唱をしている私。
調性感も掴めぬまま、ズタボロの音痴具合と言ったら…心は半泣き、
落ちたな…
そう思いました。

後に入学してから、大学では力を持っていると分かったある教授が、視界に入る右前方で、私の歌声を聴き、ガイジンさんが
「Oh,no」
とでも言うように首を左右に振ってみえた絵が忘れられません 笑。

自分の生徒にはあんな思いは絶対にさせたくない。
今日やって明日力のつくものではありません。
「もしもグレードを受ける時やその道に行くことになった時困らないように、経験だけはさせて行こう」そう思い、毎回数分ずつですが時間を設けることにしたのです。