ほぼほぼ日刊『萬田慎之介のマスコミ内定ブログ』 -8ページ目

9-4、椅子には深く腰掛ける

椅子には深く腰掛ける

面接が始まると、まず椅子の横まで近づき、
簡単な自己紹介をして椅子に腰掛けるというパターンが多い。

そして多くの人はぴんと背筋を伸ばし、椅子には浅く腰掛けるのがマナーだと思っている。
浅く腰掛けるということはすぐにでも立ち上がることができるという状態である。

言い換えるとすぐにでも行動できる緊張した状態である。

このような状態を心理学では「覚醒水準が高い状態」と言う。
この行為は、興奮している状態を表し面接官に緊張していることを表明している状態と言っても良い。

特に、相手に比べて立場が弱く従順な状態でとる行為なので、面接でこの状態をとることは良くない。


緊張している雰囲気というのは相手である面接官にも伝播し、
コミュニケーションがとりにくい状態を自ら作り出してしまう。

些細なことであるが、この行為をとらないことは面接を進める上で重要なことである。

役職の高い人をイメージして欲しい。
安定感のある重厚な椅子に、どっかりと腰を下ろしている姿を想像できないだろうか。

このイメージの通りで、深く座っている状態は、
リラックスしていて緊張が緩んでいる状態を伝える行為である。

つまり「覚醒水準が低い状態」である。

筆者が好きな映画でアカデミー賞も受賞したゴッドファーザーという映画がある。

主人公はコルレオーネファミリーというマフィアのボスなのだが、
彼は椅子に腰掛けるとき、とてもゆっくりとした動作で深く腰掛ける。

この動きは回りに立っている部下に威厳と自信を与える行動に映る。
映画の中で、椅子取りゲームのように、早い動作で腰掛ける場面は一度もない。

これは、覚醒状態が低い状態を自ら演出しているものと考えられる。

最高の面接をするには、まずは話しやすい空気を作る必要がある。
「場」を作る作業である。

良く小学校の先生が「遠足は家に帰るまでですよ。気をつけなさい。」という話をするが、「面接は椅子に座る瞬間」からその後の成果を大きく左右してしまう。当然のように浅く座ってしまっては、良い結果が生まれない。

面接官が椅子に浅く腰掛けている場合も、自分が深く腰掛けることで安心感を与えることにつながる。

この場合、作り上げた雰囲気に乗じて面接官自身を椅子に深く座らせることにつながるのである。

面接官は面接ごとに変わる場合が多いので、初対面での会話ということになる。

緊張するのはあたりまえ。
敵地に乗り込んでもどっしりと構え、あらゆる角度から飛んでくる質問にじっくり答えるのが最高の面接である。

面接官に自信のある態度を見せつけるように心がけたい。

9-3、まばたきは動揺をあらわす

まばたきは動揺をあらわす

人と話をするときは、目を見て話すだろう。
特に大切な話をするときは意識的に相手の目を見つめているはずである。

面接も同じで、面接官の目を見ながら話をするのは当たり前である。

読者のみなさんも面接官の目を見ることに意識を集中させていると思うが、面接中のまばたきの数まで気にしている方は少ないと思う。


まばたきの回数が増えるということは、視線をそらせたいという思いが働くためである。

緊張する面接という場で、目上の相手に見つめられるだけで落ち着かない。
しかし、目をそらす行為は失礼に当たるという意識が働くため、目をそらせることはできない。

この場合、まばたきという行為で相手の視線を遮って、落ち着きを取り戻そうとするのである。

一般的に「まばたきが少ない」時は、平常どおり気持ちも落ち着いていて緊張していない状態である。
「まばたきが多い」時は、緊張していてその緊張感を和らげたり、相手の発言に動揺している自分を冷静にしようとしている状態である。

この状態より、動揺・緊張感が大きくなると「ゆっくりと長いまばたき」になり、できるだけ長い時間、相手の視線を遮ろうとするのである。


ボストン大のジョセフ・テッチ教授がまばたきについて実験結果を報告している。

2004年のアメリカ大統領選挙で討論会に参加した共和党ブッシュ候補と民主党ケリー候補のまばたきの数を比較している。
討論会の終盤にある2分間のスピーチの部分が比較対象である。

第一回の討論会ではブッシュ候補は1分平均109回、ケリー候補は1分平均48回。

そして第二回の討論会では、ブッシュ候補が1分平均23回、ケリー候補が1分平均32回に変化していた。

平常時のまばたき回数は毎分17回といわれているため、まばたきの回数で両候補とも相当緊張していたことがわかる。

テッチ教授の分析では、第一回目の討論会では、まばたきの多いブッシュ候補はケリー候補より、頼りない印象を強くしてしまったと報告している。

その後、ブッシュ陣営のイメージコンサルタントなどから指摘されて改善をし、第二回目ではまばたきの回数を大幅に減らしている。

テッチ教授の報告では80年以降の過去6回の大統領選で2000年の一回を除きすべての選挙で、まばたきの回数が多い候補は落選している。


まばたきが多いと、神経質、頼りない、小心者というマイナスのイメージを相手に与えてしまう。

プラスのイメージを面接官に与えようと頑張っているときに、まばたきという無意識の行為で好感を失ってはもったいない。

可能な限りマイナスになる要因は排除するべきである。
面接中も心に余裕を持って、会話の合間にまばたきが通常通りか意識してみる。この行為がとても大切である。

相手の目を見ながら話すことが苦手だという人は、面接官の鼻を見ながら話すのも効果的だろう。

この場合も、余裕が出たら面接官の目を見て、顔色を確認すること。
顔は笑っていても目が笑っていなければ、自分の話は面白くないのだろうと話題の方向転換をすることができる。

面接は受験者と面接官のコミュニケーションなので、まばたきを少なくして、目で語ることも忘れずに。


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