[PL第12節]チェルシーvsマンチェスターシティ | シティなび

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2023−2024イングランド・プレミアリーグ第12節

チェルシー4−4マンチェスターシティ


シティのSYSTEM


選手交代:ドク→グリーリッシュ、アルバレス→コヴァチッチ


得点者:25分ハーランド、45分+1アカンジ、47分ハーランド、86分ロドリ


チェルシーのSYSTEM


選手交代:エンソ・フェルナンデス→ムドリク、リース・ジェームズ→ギュスト、カイセド→ブロヤ、ニコラス・ジャクソン→ウゴチュク


得点者:29分チアゴ・シウバ、37分スターリング、67分ニコラス・ジャクソン、90分+5パーマー


前節勝利で首位に返り咲いたシティ。今節は前節トッテナムを撃破して調子が上向きつつあるチェルシーと激突だ。


で、早速レビュー

シティはチェルシーのビルドアップに対してハイプレスをかけてマンツーマン気味にハメ込んでいく。2CBディザジ、チアゴ・シウバへはハーランドとアルバレスが寄せて牽制をかける。そしてCMFカイセドにはベルナルド・シウバ、左SBククレジャには右WGフォーデンがプレス、左へ流れて出口を確保するエンソ・フェルナンデスにはロドリがスライドして対応していた。だがこのプレスを回避してビルドアップからフィニッシュまで持っていくのが今季のポチェッティーノ監督のチェルシーの強みであるだろう。GKサンチェスのシティのハイプレスを剥がすフィードを左スターリングが落とせば前向きの状態でボールを受けたコナー・ギャラガーという流れでレイオフを絡めてエンソ・フェルナンデスが抜け出す。ここでゾーン2を突破すればエンソ・フェルナンデスの縦パスをニコラス・ジャクソンがポストとなって右へ叩くとパーマーがスルーをしリース・ジェームズがシュートをするビルドアップからカウンターへ移行する攻撃は完璧だった。パーマーがスルーした時に左SBグヴァルディオルは内側に入っていたので右のリース・ジェームズが空いたのだった。チェルシーはCFニコラス・ジャクソンが裏抜けだけでなく中盤へと下りて楔にもなれるのでボールを引き出すコナー・ギャラガーとニコラス・ジャクソンの縦の関係性からスターリングが抜け出したりとスペースがあれば積極的に縦に推進してカウンターを発動させる。左サイドでオーバーロードして右への展開が多くチェルシーのこの試合の狙いはカウンター、このカウンターに対してケアするのがシティにはスピードがあるウォーカー、アカンジ、グヴァルディオルと揃っているし右WGフォーデンも素早く戻ってカバーに入り対応する。


シティはボール保持時アカンジがCMFの位置まで上がって偽CBとなる。ロドリとCMFを組むことでチェルシーが守備時に442ゾーンを組む前線2枚に対してCMFが立ち位置でピン留めしているので3バックを結成する左右CB右ならウォーカー、左グヴァルディオルが出口となり外側からボールを運べる。また右のウォーカーも左グヴァルディオルも大外に開いていると右CBルベン・ディアスの左横へとGKエデルソンが入ってきて最終ライン4枚としビルドアップに加勢する。ビルドアップ時GKエデルソンをルベン・ディアスの横へと立ち位置を取らせるのはパスコースの距離感を縮めるのと一発で局面を変えれるロングフィードがあるから。チェルシーがハイプレス+最終ラインを押し上げればロングフィードで高い最終ライン裏を狙えれる。エデルソンがGKにいればこういう駆け引きができるのだ。もう一つボールを前進できるのはロドリが出し入れをしているから。まずビルドアップ時。左サイドでロドリーグヴァルディオルーアカンジでトライアングルを結成しているゾーンに入っているパーマーに対して3vs1の数的優位を作れている。そこでロドリが最終ラインへと下りてボールを引き出すと左タッチライン際に開くグヴァルディオルを経由しハーフスペースのアカンジがボールを受けてミドルサードから突破口を見出す。中央にパスコースを作ってパス回しを潤滑油する場合はロドリがチェルシーの前線と中盤ラインのギャップに入ってボールを引き出し右サイドへ展開すると外に開くフォーデンのパスから中央から右へと流れるアルバレスがチャンスメイクしたりとロドリが出口を作ることでプレス網を剥がし連動した攻撃に繋げれる。ロドリの出し入れはビルドアップからファイナルサードまでボールを運ぶ為のKeyとなっている。

先制したのはシティ。ハーランドがPAでククレジャに倒されてPK獲得。このPKをハーランドが決める。だがチェルシーが直ぐ様同点に追いつく。リース・ジェームズの直接狙った高精度のFKはGKエデルソンの好セーブで外に掻き出したがそのあとのCKから二アに入り込んだチアゴ・シウバがフリーでヘディングで決めている。シティ、チェルシーとも1点目はセットプレーからだった。


この試合インテンシティが高くて縦に速くカウンターの応酬でオープンな展開。チェルシーの2点目は前半に作った最初のチャンスと同じようなカウンターからだった。GKサンチェスからのロングパスをスターリングの頭上からウォーカーが跳ね返せばこのこぼれを拾ったエンソ・フェルナンデスからパーマーを経由し右サイドからオーバーラップしてきた右SBリース・ジェームズに繋ぐ。リース・ジェームズの低いクロスからスターリングが決めている。前がかりに出ていたルベン・ディアスに対してエンソ・フェルナンデスとパーマーのとこで2vs1の数的優位を作れたのと流れるようなパス回しで右サイドから前進させた+リース・ジェームズのオーバーラップが良かったと思う。見事に逆転されたが前半アディショナルタイムにシティ同点。セットプレーの2次攻撃からベルナルド・シウバのアーリークロスをフリーのアカンジがヘディングで決めている。前半攻めていた、カウンターでチャンスを作っていたのはシティよりチェルシーの方が多かった。シティはチェルシーの442の守備ブロックをなかなか崩せずボールポゼッションで押し込んでもチェルシーは低くコンパクトに442を敷いてスペースを消してくる。シティは右サイドの攻撃だとフォーデンのタメからアルバレスが流れてくる、2回目はフォーデンからウォーカーのオーバーラップを使っていたが中央を割れない。左はベルナルド・シウバの立ち位置で右SBリース・ジェームズを内側へと引っ張り左の大外のドクにフリースペースを与えたりドクを追い越すようにベルナルド・シウバがポケットへ入ったりしていたがチェルシーは左右サイドで対応するのがSBだけでなくWGのパーマーやスターリングまで下がって守備をこなしていた。前半のシティの決定的チャンスはゴールを省くとロドリからのパスを受けたフォーデンのシュートやチェルシーの最終ラインのギャップでスルーパスを受けたハーランドのシュートくらいしかなかった思う。


チェルシーはスターリング、パーマーが古巣シティが相手ということもありシティに人泡吹かせてやろうぜという気持ちを前面に押し出していたのがプレーぶり見ても感じられた。スターリングはスピードでウォーカーを出し抜こうとしていたし緩急のつけたドリブルで左サイドを制圧。ウォーカーだけでなくロドリまで守備のサポートに回る程スターリングのドリブルはキレキレだった。あとパーマー。縦の推進力が高くドリブルで中央を切り裂いたりとシティの守備網に割って入っていった。シティは後半SYSTEMを変える。前半はビルドアップ時アカンジがCMFの位置まで上がり325に可変していたが後半はボール保持時アカンジを最終ラインに下げた433だった。前半アカンジはビルドアップに殆ど絡めず機能していなかった。ルベン・ディアスのパスコースを潰し閉塞感が出ていたのもあるだろうがアカンジの偽CBは不慣れだし失敗だったのだろう。アカンジが最終ラインに下がったのでビルドアップ時はベルナルド・シウバがサポートに入る。サイドは後半早々ドクを下げてグリーリッシュを起用する。タイプが異なるWGを起用することでグリーリッシュが中央へと入るとベルナルド・シウバが左サイドへ流れたりと流動的なポジションチェンジができる。シティの3点目はチェルシーのお株を奪うようなカウンターからだった。ビルドアップ時ベルナルド・シウバが下がったことでここから長いロングパスがハーランドへと出る。ハーランドのポストからアルバレスがサポートしフォーデンへ縦パス。フォーデンのタメからポケットへと追い越してきたアルバレスがパスを受けて低いクロス。これをハーランドが滑り込んで押し込んでいる。チェルシーの2点目と似ているがアルバレスがフォーデンの外側から追い越す時にククレジャに対して2vs1の数的優位を作れているのでククレジャは後手を踏み対応が遅れたのとアルバレスのロングスプリントが良かった。だがチェルシーはまたまた同点に追いついている。チェルシーの3点目は67分。CMFの位置まで下りていたコナー・ギャラガーがビルドアップから前進させる為に左へと大きなサイドチェンジのパス。これを左サイドのムドリクが受けると突破からロドリを引き付けてロドリが空けたスペースでワンクッション役となるニコラス・ジャクソンを経由して3列目から飛び出したコナー・ギャラガーが強烈ミドル。これをGK エデルソンが弾くがこぼれを拾ったニコラス・ジャクソンが流し込む。この得点の起点となったコナー・ギャラガーの飛び出しだがムドリクの突破とニコラス・ジャクソンの捌きがタメとなり3列目から飛び出すコナー・ギャラガーの飛び出す時間を作れた。

試合はまだ動きシティの4点目はロドリのミドル。だが後半アディショナルタイムにチェルシーにパーマーのPKで再び同点とされ4−4


そんな感じで壮絶な打ち合い。試合的には凄いレベルが高く面白かった。

次節は2位リヴァプール戦