[CL第4節]マンチェスターシティvsヤングボーイズ | シティなび

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2023−2024UEFAチャンピオンズリーグ第4節

Group G

マンチェスターシティ3ー0ヤングボーイズ

(イングランド)      (スイス)


シティのSYSTEM


選手交代:ストーンズ→アケ、ウォーカー→カルヴィン・フィリップス、ハーランド→ボブ、コヴァチッチ→ドク


得点者:23分ハーランド、45分+1フォーデン、51分ハーランド


ヤングボーイズのSYSTEM


選手交代:イッテン→チャイワ、ヤンコ→ブルーム、ウリセス・ガルシア→パーソン、エリア→ギャンブラ、ウグリニッチ→マレス


シティ第3節終了して全勝。勝てばグループリーグ突破が決まる。


で、早速レビュー

ヤングボーイズはボール非保持時541の守備ブロックを結成する。中盤4枚のブロックはシティのビルドアップに対してハイプレスでハメ込まず中盤から最終ラインを下げてスペースを埋める守備にプライオリティを置いていた。となれば前線は1トップだけなのでシティのビルドアップ時の形はいつもの3+2でなく1枚減らした3+1で充分となる。3+1は偽CBのストーンズをアンカー気味に1列前へと押し上げると可変式3バックとなりそこからボールを回し前進させる。そしてその前方にリコ・ルイス、コヴァチッチがハーフスペース、ヌニェスが中央レーンに位置取り中盤3センターを組む。ヤングボーイズの守備はシティの左右CBにボールが入れば一度ゾーンを下げた中盤ラインの1枚が牽制をかけにいく程度なのとシティの中盤3枚(コヴァチッチ、ヌニェス、リコ・ルイス)にはコヴァチッチには右CBアメンダが前へ出て寄せるがヌニェス、リコ・ルイスにはCMF二アッセ、ラウパーが斜めのスロープを敷きながらマンツーマンのように監視する立ち位置となっていた。ゾーン1からゾーン3へボールを運ぶメカニズムはリコ・ルイスがハーフスペースに位置取るのは中盤ラインのギャップでボールを引き出す為でビルドアップ時3バック右のウォーカーがタッチライン際まで開くので左ウグリニッチがウォーカーのパスコースを消そうと左に動こうとすれば左SHとCMFの間にギャップができるのでボールホルダーのストーンズがそのギャップに位置取るリコ・ルイスへとパスを入れてゾーン狙い1、2を突破する。5バックにはシティは前線3枚がピン留めすることにより前からプレスにいけなくなり縦パスを受けたリコ・ルイスは前を向いてボールを運べる。このゾーンでリコ・ルイスとフォーデンが守備に迷いが生じるウリセス・ガルシアに対して2vs1の数的優位を作れている。そこで右の大外に開くフォーデンへと繋ぐと内側寄りだった左ウリセス・ガルシアが広がるのでそのハーフスペースからリコ・ルイスがポケットへと侵入してリターンパスをもらうのでゾーン3までボールを運べる。


前半23分にはシティ先制。ヌニェスがボックスで倒されて得たPKをハーランドが決めている。このPKを獲得できたのもボックスに枚数をかけた攻撃ができたのとヌニェスがボールを失わないキープでファウルを誘ったからだ。

次はビルドアップ時にGKエデルソンがもたらす+1と1vs1の局面を作り出す仕組みを分析する。まずビルドアップはウォーカーを1列前に押し上げるとルベン・ディアスとグヴァルディオルの間からGKエデルソンが加わる形や3バックを結成する右ウォーカー、左グヴァルディオルが大外に開いてSB化しルベン・ディアスの横にGKエデルソンが入り4バックとなる形があった。そしてゾーン2でボールを保持すると右からウォーカー、ルベン・ディアス、グヴァルディオルの3バックで攻撃の組み立てに加わる。ヤングボーイズは先制されているので高い位置からプレスをかけると同時に最終ラインを押し上げるから最終ライン裏のスペースを狙うことができGKエデルソンや最終ラインからのロングフィードで裏抜けハーランドへと入れる。ハーランドがボールを引き出す時に1vs1の状態を常に作れているのは周りが動き出しと位置取りでDFを引っ張り距離を広げているからである。特にヌニェスやリコ・ルイスが1vs2の状態を作らせないように位置取りでDFをピン留めしているので1vs1の局面を作り出す。1vs2だと抜いてもすぐカバーに入られて攻撃を遅らされDFの戻る時間を作られるが1vs1を作り出せばあとは質的優位で上回ればイニシアチブを握れる。


追加点となる2点目はビルドアップからファイナルサードまでボールを運びフィニッシュに繋げたもの。まずGKエデルソンがスタート地点となる。この時中央にコヴァチッチが位置取るので右SHエリアは内側へと入ってカバーシャドウの立ち位置となるが手前にルベン・ディアスもいて左の大外にグヴァルディオルもいるのでエリアは1人で3枚見ないといけない状況となる。そこでグヴァルディオルがエリアの位置からズレるように前へと移動して角度をつけるとGKエデルソンからのパスを受ける。グヴァルディオルの対角線パスをハーフスペースで受けたグリーリッシュがDFに寄せられながらもボールキープし右へとサイドチェンジすると右フォーデンが個人技と巧みなコース取りでDFをぶち抜き仕留める。シティはファイナルサードに6枚はなだれ込むので左でオーバーロードすると右が空く。ここはヤングボーイズの左ウリセス・ガルシアはスライドして対応するがフォーデンが質的優位で上回った形となった。

あとシティは手前と奥の使い方とボールホルダーを追い越す動きを徹底している。リコ・ルイスのポケットへの侵入を使っていたがリコ・ルイスが下がってストーンズがポケットへ侵入するポジションチェンジも見られた。こう入れ替わることにより守備を揺さぶるのも狙いとしてある。ある場面。ヌニェスが右サイドに流れてボールを引き出すとフォーデンが立ち位置で左CBベニトをピン留めしポケットからリコ・ルイスが抜け出してパスを受ける。フォーデンとリコ・ルイスのとこで数的優位を作れているしポケットで受けるリコ・ルイスへヤングボーイズの守備がスライドしてズレるとギャップができる。シティはそこを狙っている。3点目はハーランドのミドル。リコ・ルイスがボールを運んだ時にフォーデンが外から追い越す動きをこなしヤングボーイズの守備に注意を引き付けたのが良かった。だからハーランドへのマークが緩みバイタルでボールを受けれた。

後半ヤングボーイズは1人退場して1人少ない状態となる。531の守備ブロックを作っていたがしっかりとボールサイドにスライドしていたし寄せてシュートコースを狭めようとしていた。シティはなかなか崩せずミドルが多くなっていた。逆にシティはヤングボーイズにカウンターを殆ど許さず決定機を作らせない。前からハイプレスでパスコースを牽制し追い込んだのが良かった。


そんな感じで第4節終了時の順位

1位マンチェスターシティ(イングランド)   勝点12

2位ライプツィヒ(ドイツ)          勝点9

3位ツルヴェナズヴェズダ(セルビア)     勝点1

4位ヤングボーイズ(スイス)         勝点1


シティはグループリーグ4連勝で決勝トーナメント進出決定

次節はライプツィヒ戦