[CL準決勝1stIeg]レアルマドリードvsマンチェスターシティ | シティなび

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2022−2023UEFAチャンピオンズリーグ準決勝1stIeg

レアルマドリード1−1マンチェスターシティ

(スペイン)      (イングランド)


シティのSYSTEM


得点者:67分デブライネ


レアルのSYSTEM


選手交代:ロドリゴ→アセンシオ、クロース→チュアメニ、モドリッチ→ナチョ


得点者:36分ヴィニシウス


昨シーズンの準決勝と同一カード。昨シーズンのチャンピオンズリーグ王者レアルマドリードとプレミア王者マンチェスターシティが再び激突。プレミア勢を撃破して準決勝まで勝ち上がるレアルに悲願のビッグイヤー獲得を狙うシティがプレミア最後の砦として立ちはだかる。事実上の決勝戦といっても過言でないだろう。


で、レビュー

大方の予想通りシティがボールポゼッションで押し込む展開となる。シティのSYSTEMは流れの中で様々に可変する。まずストーンズの立ち位置でボール保持時は1列前へと上げてCMF化となるがボール非保持時はストーンズをCBの位置へ下げて4バックを結成。つまり現状ストーンズはシティでは偽CBとして使われていることになる。ビルドアップ時はこれまでと同じ通り3+2の形は作るのだが中CBルベン・ディアスが左へと開くと左SB化のアカンジが1列前へと上がるので2バックになる。まずシティの3+2の優位性は数的優位を作り出すことにありレアルのCF+2列目で構成する前線4枚に対して5vs4の数的優位を作れるのだ。シティのビルドアップにレアルの守備は左右WGが内側に絞って前3枚でロドリとストーンズへのパスコースをケアする立ち位置となれば左右CBウォーカー、アカンジのとこがフリーとなり外側からボールを前進させていける。またシティのビルドアップ時の形が2+3であれば2CBのゾーンにレアルはCFベンゼマだけとなるのでシティは2vs1の数的優位の状況を作れている。そして左サイドを起点に前進させていこうとする場合レアルの右WGロドリゴは外に広がり左に開いているルベン・ディアスと左SB化のアカンジをケアする立ち位置を取りバルベルデがロドリ、逆サイから内側に絞るヴィニシウスがストーンズの監視役となりマンツー気味にハメ込む形となる。ここで左ルベン・ディアスにボールが入れば右WGロドリゴが寄せにいきアカンジにはバルベルデがスライドして対応する。そしてCFベンゼマもボールサイドへスライドするので全体的に守備のズレを生み出すから逆サイがフリーとなる。


プレスをかけられても巧みなビルドアップとポジショナルプレーで剥がして前進するシティ。ボール回しを潤滑油し前進させていけてるのもGKエデルソンとギュンドアンの存在が大きかった。ギュンドアンは中盤の底に下りてボールを引き出したり高い位置で受けたりとフリーマン化するので+1をもたらす。よってこのギュンドアンへのマークが定まらず捕まえるのが難しい為フリーとなる。そしてエデルソン。このエデルソンは正確無比なロングフィードでプレスを無力化できるのと前線のハーランドは位置取りと動き出しで最終ラインを押し下げ深さを作れるから最終ラインと中盤ラインが間延びしてしまう。そこでセカンドボールを素早くマイボールにして前進していくのだ。エデルソンのロングフィードでプレス網を剥がし深さを作るハーランドが最終ラインと中盤ラインを間延びさせてセカンドボールを拾い前進する。今季はCFにハーランドがいることでこの攻撃メカニズムがスムーズにハマっている印象。

次はWGの攻撃メカニズム。右ベルナルド・シウバ、左グリーリッシュを使う意図はタメを作れるからである。左グリーリッシュは左サイドでボールを受ければ2枚引き付けてマイナス方向へパス。グリーリッシュが左ワイドに張りこの斜め後方にギュンドアンまたはロドリが立ち位置を取る。左ワイドでグリーリッシュがボールを持てばロドリゴとバルベルデの2枚が対応する。ここで闇雲に突破せず一度中央へと戻し右ウォーカーを経由する。するとボールサイドへ守備ブロックがスライドするのでウォーカーは左へのサイドチェンジでもう一度左ワイドのグリーリッシュに入れると次はバルベルデとクロースが引き付けられ中央がポッカリ空くのでギュンドアンがフリーとなりグリーリッシュからのマイナス方向のパスを受けてミドル。こう左右への揺さぶりで守備のズレを生み出して中央を空けるのがシティの狙いでタメを作れてDFを引き付けれるグリーリッシュが今季重宝されている理由なのだ。右サイドはベルナルド・シウバにボールが入れば外側から追い越して素早いサポートを徹底。このベルナルド・シウバのタメから大外をウォーカーが追い越してDFの注意を引っ張りバイタルでフリーのデブライネがミドル。このウォーカーとデブライネの前後の関係性で縦ギャップを作ってたのとベルナルド・シウバが中へと入ると大外のスペースからウォーカーが攻め上がりボールを引き出す動き。右ベルナルド・シウバ、左グリーリッシュともタメでDFを引っ張れるのは大きい。


先制点はレアル。自陣左サイドで3vs3の数的同数の状況を下りてワンタッチで繋ぐモドリッチと前に出るカマヴィンガが縦のポジションチェンジでカマヴィンガがプレスを剥がすとフリーとなりボールを前進。ファイナルサードまで持ち運んだカマヴィンガのパスをCB間で受けたヴィニシウスが右足ミドルを決めている。シティのお株を奪うようなビルドアップからフィニッシュに繋げた完璧な得点であった。

シティはボール非保持時デブライネを1列前に押し上げる442となるがレアルはビルドアップ時2CBのアラバ、リュディガーが左右に広がり中盤の底にクロースという陣形を作る。CBが左右に広がる意図は前線2枚のプレスをハマらなくする為で2トップが広がってプレスをかけるとアンカーのクロースをフリーにしてしまうししかもCBと2トップとの距離感が開いているのでCBにフリーでボールを受ける時間と余裕を与えてしまうことになる。なのでシティは左サイドにボールを展開された場合左CBアラバにはデブライネが寄せにいきアンカーのクロースにはハーランドが監視役に残る。そして右CBリュディガーにはグリーリッシュが激しくはプレスをかけないが内側へと絞って中のパスコースを消しつつ少し前に出て寄せにいく程度。するとグリーリッシュが内側に立ち位置を取っているので大外で1列前に押し上がる右SBカルバハルがフリーとなってしまう。左SBアカンジはロドリゴと対峙して前に出てプレスをかけにいけないしここ誰がケアするのか問題点が生じる。


次はハーランド。この試合はリュディガーのチェックに苦しめられていた。中盤へ下りてもリュディガーが食い付いてきて潰される。レアルは試合途中バルベルデをアンカーのクロースの位置まで下げてモドリッチの下にクロース、バルベルデを置く中盤三角形とし守備強度を高め守備ブロックを結成する。この2+3間にハーランドがいるのでスペースがなくなかなかフリーとなれない。レアルはサイドへと展開されてもCBはスライドしないとこを見るとハーランドをかなり警戒してきたのが分かる。

同点ゴールはロドリのインターセプトから始まりそこからポジティブトランジション発動。最後はギュンドアンのタメてからの落としをデブライネが血を這うミドルを突き刺す。


そんな感じで1stIegはドロー。2ndIegは勝った方が決勝進出。舞台はシティのエティハド

この対決は戦術的に見てもやはり面白い。