[CL準々決勝1stIeg]マンチェスターシティvsバイエルン | シティなび

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2022−2023UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝1stIeg

マンチェスターシティ3−0バイエルン

(イングランド)     (ドイツ)


シティのSYSTEM


選手交代:デブライネ→アルバレス


得点者:27分ロドリ、70分ベルナルド・シウバ、76分ハーランド


バイエルンのSYSTEM


選手交代:ムシアラ→マネ、ニャブリ→ミュラー、アルフォンソ・ディビス→カンセロ


ついにCL準々決勝マンチェスターシティvsバイエルンのゴールデンカードの火蓋が切って落とされた。完成度の高いシティと伝統と欧州大会の経験値が高いバイエルンどちらがベスト4進出を決めるのか!?


で、レビュー

まず触れたいのがシティの可変式SYSTEM。ビルドアップ時はロドリの横へとストーンズが内側へと絞ってCMFを組み最終ラインは右からアカンジ、ルベン・ディアス、アケの3枚で3+2の形を作る。これはいつもと同じ。ストーンズに縦パスが入るとバイエルンの2列目を結成する3枚が内側へと凝縮されるので外側に開いてフリーでパスを受ける右CBアカンジが出口となりゾーン1を突破する。いつもと異なるのは守備時の最終ラインの並びで基本は右SBへストーンズが下がって4バックを結成するのだがこの試合は右SBの位置にアカンジがそのまま残り右CBにストーンズが下りて4バックを結成していた。アカンジが守備時右SBにいるのは対峙するのがスピードがある左WGサネと左SBアルフォンソ・ディビスの破壊力あるサイドアタックだからだろう。ストーンズとアカンジのスピードを比べると圧倒的に後者の方が有利なのは明らかである。右サイドの守備はベルナルド・シウバとアカンジの縦ラインで守備ブロックを敷くがアカンジが前へ出て潰しにいけばベルナルド・シウバが右SBの位置まで下がりスペースカバーをこなす縦関係を築く。バイエルンは左WGサネがハーフスペースへ入って左サイドでアルフォンソ・ディビスとボールサイドへスライドしてサポートに加わるゴレツカでトライアングルを結成するがその場合はベルナルド・シウバとアカンジが縦ラインで対応しハーフスペースのサネにはロドリが下がってパスコースを切る位置取りとなる。2vs3で対応せず3vs3の数的同数で守るのがシティの守備メカニズムである。シティの守備は安定していたしルベン・ディアスを中心に固かった。


バイエルンのSYSTEMは4231。CFはボールを収めれるチュポ=モティング不在の為にニャブリが入ったので縦に速い攻撃を仕掛ける狙いがあったのだろう。前半からボールを奪えばショートカウンター発動の頻度が高かったように思う。シティのポゼッション時のSYSTEMは3421であるがボール非保持時はデブライネを1列前へと押し上げた442へと可変する。442ゾーンで守備ブロックを組まれるとバイエルンは崩しきれない難点があるのでこの442の守備の形は有効的である。2トップがカバーシャドウでCMFゴレツカ、キミッヒへの縦のパスコースを消し左右SHはSBをケアする。2トップがCBに寄せる為に前へと出るとギュンドアン、ロドリがゴレツカ、キミッヒのCMFを監視する。こうバイエルンのビルドアップを塞ごうとしていたのだがもしハーランドがプレスをかけにいってもギュンドアンが背後のニャブリの動きと立ち位置を警戒してか前に出て捕まえにこなければキミッヒがフリーとなってしまい縦パスを受けられることになる。ここでもビルドアップvs守備の駆け引きが行われているのだ。


シティの崩しのkeyとなるのはサイド。中央へのハーランドへ縦パスを差し込まないのはバイエルンが中央を封鎖しているからである。なので必然的にサイドからの攻撃を重点的に行う。WGは右にベルナルド・シウバ、左グリーリッシュ。この2枚の起用の意図はボールキープに優れておりタメを作れる。その点に関してはマフレズもタメは作れるがベルナルド・シウバはハードワークできるし守備も献身的でバイエルンの破壊力ある左のサイド攻撃を塞ぐのにマフレズよりベルナルド・シウバを使ったのだろう。WGへボールが入ればOMFがハーフスペースに位置取ったり追い越す動きを繰り出す。右であればベルナルド・シウバにボールが入って内側へと切れ込めば左SBの裏からデブライネが追い越して幅を保つのとデブライネがハーフレーンに位置取ればCMFやCBのスライドをピン留めできるのでワイドの右WGベルナルド・シウバは1vs1の状況を作れる。タメを作れるベルナルド・シウバの存在は大きく後方にデブライネがいれば一度預けてデブライネがクロスを入れる。このクロスに反応したハーランドがニアへ入ってファーのギュンドアンが合わせる。こうした中先制点は27分。右サイドのベルナルド・シウバのボールキープに対して左SBアルフォンソ・ディビス、CMFゴレツカを対応するので1vs2の数的不利に陥る。この試合ベルナルド・シウバが孤立気味となる傾向があったので一度斜め後ろのストーンズへ戻すとバイタルでロドリとギュンドアンが動き直すのでゴレツカがこの2枚のパスコースを切りにいく為に放れる。するとベルナルド・シウバは1vs2からアルフォンソ・ディビスとの1vs1の状況を作れるのでストーンズのリターンパスを受けるとゴレツカがボールサイドへと横ズレするからそうなると次はロドリが空いてくるからベルナルド・シウバの横パスをロドリが受ければプレスバックにくるムシアラを切り返しでかわして左足インフロントで巻いたミドルを決めている。この先制点深く触れるとギュンドアンが左SBと左CBの間に立ち位置を取ったので左CBデ・リフトをピン留めし横へとスライドさせなかったのとロドリをマークしていたニャブリがマークを放して前へと上がったのでムシアラがプレスバックをいかなければならなかった。つまりニャブリが前へ上がらずロドリのパスコースを消していればこの得点はなかったかも知れないのだ。


後半バイエルンが圧をかけて押し込んできた。サネの強烈なミドルが何本かGKエデルソンを強襲したことでも分かる通り古巣対戦ってこともあり燃えている。この試合のバイエルンはボールを奪ってからのショートカウンターが多くここまでのところチャンスはシティよりバイエルンの方が多かったように思う。だが縦パスをライン間へ差し込んでゾーン2を突破してもシティの中盤の強度の高いプレスバックにあってフィニッシュまで繋げなかったり最終ラインがソリッドで数的同数以上な堅固な壁を敷く。バイエルンはサイドからの個の打開力頼み感が強い攻撃をするがシティはSBが対応、CBが横ズレでカバーリング。ロドリが下がって横ズレしたCBのスペースを埋めて中央を安定させていた。 

バイエルンはビルドアップはバタバタ感が強くシティは424の守備ゾーンを敷いて左グリーリッシュがボール保持にもたつくウパメカノにプレスをかけてボールを奪えば一気に攻撃が加速。左に流れてボールを受けるハーランドのクロスをファーからボックス右に飛び込んできたベルナルド・シウバが頭で合わせて決めている。

3点目は右サイドのアルバレスのファーへのクロスをボックスに入ってたストーンズが頭で折り返しハーランドが決めている。バイエルン相手に3−0でリードできたのはデカい。


そんな感じで3−0で勝てたのは大きい。あのポンコツ(2008年以前)だったシティがバイエルンに勝つ日がくるとは。時代は動いた。2002−2003シーズンからシティを応援してるけど信じててよかった。今のシティの守備から4点取るのはかなり難しいし90%は準決勝進出は決まりかな思うけど相手はあのバイエルン。一瞬でも気の緩みがあればやられる。まだ分からないと思う。

2ndIegはバイエルンのホームにシティが乗り込む。