3年も前に流行ったアナと雪の女王のブームが、今更私と息子の間で来ている。

2年半前にアナ雪のプロモーションビデオを見てエルサと一緒に笑顔でよちよちと走っていた息子は、2年半かけてようやく「ありのままでー♪」のフレーズだけ歌えるようになった。

あのプロモーションビデオは、健常児も障害児もみんな好きらしい。いつもいくショッピングモールの大型テレビで何かしらいつもプロモーションを流しているのだが、「妖怪ウォッチ体操」と並んで「ありのままで」が人気だった。


悲しくひとり孤独に俯きながら歩いていた女性が、だんだんと笑顔になり、走り出し、綺麗なお城を力強く作り出し、ドヤ顔をしてドアを閉めて終わる、そのストーリーにきっと励まされるからだろう。


エルサが、「ありのまま」に生きるためには、人里離れた山奥に氷の城を築いて一人暮らしをするよりなかった。

物語は、妹のアナの愛の力で、エルサの心は救われて、エルサの氷の力はコントロールできるようになって、スケート場を作って遊ぶなどの有効活用出来るようになって平和に終わる。


ああ、だけどもし、


エルサが1人っ子だったら、どうなっていただろう。


氷の力を持って産まれたエルサ。
感情のコントロールが効かなくて、暴走してしまうと人さえ殺してしまいかねないエルサ。


国王と女王は船の転覆で死んでしまう。




エルサとアナの物語は、
まるで、発達障害児と健常児の物語のようだ。

アナは障害児のきょうだい児。
姉があんなんで無ければ、孤独な幼少期を過ごさなくても良かったかもしれない。
余計な苦労をしなくて良かったかもしれない。

そのことを誰よりも分かっているエルサ。
だからこそ妹に負担はかけられない、と、より閉じこもってしまう。


けれど最後にはエルサはアナに救われる。


アナが居なかったら、
あの物語はどうなってしまっていたんだろう


国王と女王は、
家臣や、国民たちに、エルサの力について、
理解を得られるようにたくさんの努力をしなくてはいけなかったろう

船が転覆して両親が死んでしまう前に
エルサの理解者を1人でも2人でも増やせるように。



私の息子は、一人っ子のエルサだ。


どうか、人里離れた山奥に氷の城を築くようにではなく、
人里の中で、自分の能力を有効活用しながら、
周りの助けを借りながら、
ありのままに生きていけますように。