ツボの数だけ人との寄り添い方がある、今日はそんな話です。



昨年年始のとても寒かった日、クラス前のちょっとした時間に

「冷え性に効くっていうツボを覚えてみますか?」といって、
脛骨に沿った脾経のラインをおひとりずつ押させていただいた時のこと。


久々にクラスに参加された女性の、○○というツボを押したとき、
「あ”ーっっ!」と叫ばれるので、とっさに指を離してみると
指の跡が黄色くくっきり残るほどのむくみの症状がありました。



こそっと小声で「生理は毎月きてますか?」と尋ねると、
”え?なんでわかるの?”といわんばかりの丸い目をして、
「ううん、半年きてない...。」と答えられました。


そのとき私は、その方が生理不順だということを初めて知らされたのですが
生理不順に限らず、人知れず身体の悩みは持っているもので、
すべての方が、自ら私にそのことをお話してくださるわけではないのだと
あらためて自覚したわけです。


アジャストの際にお身体に触れさせていただくことはあっても、
「ツボを押す」ことでしかその悩みに寄り添うことはできなかっただろうと思います。





婦人家系の悩みに効くとされる脾経。
脛骨に沿った脾経のラインを押さえれると、ズーンと痛いという女性はたくさんいますが、
筋肉量の多い男性は、実はほとんど痛みを感じないらしいです。
血行と筋肉量の関係性が、脾経のラインでよくわかります。



脾経の脾は、脾臓の脾。
120日間かけて体内をぐるっと回った赤血球が生まれ変わるところ。


「さぼりってばかりでダメですね...」と自分を責めるだけだったその方に、
筋肉量の重要性と、赤血球の120日間旅物語を添えて

「せめて4ヶ月真剣に頑張ってみてみたらどうですか?」と促すと、
いつからか効果を感じ始められたのか、この1年ずっと定期的に通って来てくださっています。



おそらくはあの時、
頭ごなしに「生理不順にはヨガはいいですよ」と言っただけでは届かなかっただろう、
ヨガの可能性。


「ツボを押す」ということをきっかけにその方とヨガとの関わり方、そして
私との関係性が変わっていったのです。