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さて、今回は柔道人口減少問題。
私個人的な意見ですが、
勝利至上主義に歯止めをかけるため→少年大会の廃止→柔道人口増加への転換が狙い
だとすれば、それは違うと思っていて、大会の廃止は「ピラミッド(特に大切な成長期)のバランスが崩れているので今一度柔道の本質に立ち返ろう」の意味であると信じています。
柔道は他のスポーツとは違って、一番はじめに相手に投げられること、負けた時のことを前提に立って「受身」から学びます。
なぜ、投げ方からではなく、受身から学ぶのでしょう。
理由は、私なりに2つあると考えていて
一つは、受身をしっかり習得して致命的なケガを負わないため、
もう一つは、投げられてこそ、柔道の本質を学ぶことができるからだと思っています。
正しい受身を学び、自分の身を守ることができれば、恐怖心がなくなり、自分で立ち上がって、もう一度礼をして相手にチャレンジすることができ、結果として強くなれるのです。
私自身、これまでの指導人生を振り返れば、
「転ばないための方法」
つまり、どうにかして
「負けない方法」
「投げられない方法」
を子どもたちに伝えていた気がします。
子どもたちが試合で負ける姿を見るのは、指導者として辛いものです。
子どもたちも、早く投げ技などをやってみたいと思うかもしれません。また、受身ばっかでつまらないと言ってくるかもしれません。
けれど、そこは、指導者がしっかりと受身の重要性(2つ目の理由)の話をして、理解させる必要があります。
受身は、
「転ばぬ先の杖」
というよりか
「受身は備えではなく、転ぶ(失敗する)ものと認識」
させることが大切です。
投げられてもダメージを最小限にできる「受身」を習得させ、何度でも立ち上がって、相手に礼をして、何度でもチャレンジする大切さを子どもたちに伝えていきたいですね。
チャレンジするためには転ぶことが勉強。
これって、なんか人生にも通じますよね?
また、柔道経験者なら一度は体験したことがあるかもしれませんが、凍結時にバランスを崩して転倒した際、超高速前方回転受身によって無傷(人がいれば拍手喝采)だったのは私だけでしょうか。
そうなんです。
柔道の受身によって、どれだけの人たちが(致命的なケガをせずに)救われたでしょうか。
そんな魅力発信が少ないように思います。
今こそ、柔道の「受身」の重要性を…
受身が身につき、投げられても、ちゃんと礼をして、何度でもチャレンジする精神を身について、やっぱ柔道をやっててよかったね
と言ってもらえるような、柔道本来の魅力を発信していく活動が必要ですね。
現在、全柔連や各地域の先生方が展開中の「安全な転び方教室」ですが、サッカー選手など柔道経験者以外の方にも是非知ってもらいたいし、実生活などにも生かせる様々な転び方のイベントをどんどん普及させてほしいです。
これが実現すれば、次は審判員やクラブ指導者の価値と、登録料等の経費負担の問題…
5、10年先を見据え、今を一つひとつですね。