しかし、何故僕は最初に追加の抗ガン剤治療を断ったのかというと、
病院生活に嫌気がさしていた。
やはりストレスを感じないように生活はしていても、実際はかなりのストレスを感じていました。
部屋に隔離される、家に帰れない、仕事に行けない、給料は減らされ、ボーナスも減らされ、子ども達とも会えない、遊べない、他にもたくさんの不安材料やストレスがありました。
とにかく、早く病院を出たかった。
二回追加しても変わるかわからない状態をする必要があるのか、
そんな中で、仲間達と話する中で追加治療する気持ちが固まりました。
やはり抗ガン剤、放射線と苦しい治療をして来た仲間達の言葉には説得力がありました。
義足のおっちゃんは実は、決められた治療を一回残して退院したと。
当時はしんどかったと。
それが原因とは言えないが、退院一カ月で肺転移が見つかり、今も入退院を繰り返して治療をしています。
また肩の軟部肉腫の方には、後二回して、もう病院に戻って来ない状態になる可能性があるならやって損はないと言われました。
皆んなの言葉が僕を動かしてくれました。
その頃、嫁さんは両親に何とかやるように説得してくれと言われていたようです。
追加治療をやる事を両親に言うと、安心している様子が伝わって来ました。
こんな状態の治療をしていると、やはり同じ様に頑張っている仲間達の存在はとても必要だと感じました。
そして、僕は全行程12回の抗ガン剤治療をする事になります。