私の講演アシスタントさんが、エピソードを書いてくれました。

 

家族が笑顔で過ごした経験が無い自分には、涙が溢れてしまう光景でした。

御一読いただけましたら幸いです。

 

先日の素敵なエピソードとなります。長文ですが、よろしければお付き合い下さい。

🎉本物のリハビリテーションを求めて🎉

自分の成長の場を求めて前職場を退職し4年が経過しました。現在は、本業の他に、講演家の大貫学人さんのアシスタントとして同行させていただく中で、師匠の生き方・言葉・一瞬一瞬の行動からは、大きな学びを得ています。

あるステーキレストランにて、講演終了後に食事を同席させていただきました。

父と娘とみられるある親子が後ろの席に着きました。

着席とともに、お父様がテーブルの上に奥様と思われる方の遺影をさっと置かれました。娘さんが「まだいいよぉ」と発した瞬間、恥ずかしそうな表情で遺影を隣の椅子の上にしまうお父様。その姿に「はっ」と察し、気になり始めたころ、店員の女性が注文に…。

娘さんが、「●●ステーキ、●●ステーキ、それとハンバーグ…。」3人分のメインメニューを注文されました。「あっ…あと、日本酒の熱燗を…。お父さん、これ忘れちゃダメじゃない!」「あっ、そうだそうだ…。一番大事なものだね。」などと、ほっこりとする親子の会話が聞こえました。

食事の途中に、「お父さん、そういえば何年目なの?」と問う娘さん。恐らく結婚記念日なんだろうな、きっと…、と我々が相槌を打ち…。

合間合間で、手慣れたタイミングで熱燗をお酌する娘さん。その役目は、生前のお母様がなさっていたんだろうなと。そんな光景も目に浮かびました。

副菜とハンバーグをお皿に取り分ける娘さんが「これ、お父さんのじゃないから食べちゃだめだよ!」「分かっているよ!」などと笑いながらの会話も聞こえ…。

我々は、食事をしながらも、後ろの席から聞こえるお二人の会話を耳にしながら、何故か自然と涙が止まらなくなってしまいました。

そして、大貫さんが私に、「ペン、持っている?」と問い、ペンを手渡すと紙ナプキンをに文字を書き始めました。「お二人が幸せいっぱいの人生であります様に・・・2023.5.12」と…。そして店員の方に、「後ろの親子さんのお会計の分を私が支払いますので…。内緒でね?」と申し出て、お会計をされました。店員の方から「お名前など伝えなくていいんですか?」と聞かれ「もちろん、伝えないで下さい。」と言い、店を後にしました。

その後、車に乗り込もうとしたときに、お二人が走って駆け寄って来られました。店員さんも咄嗟に判断されたのでしょう。お二人に事実を告げたとみられ…。

お二人からは、「見ず知らずの方にこのようなことをしていただくなんて驚いてしまって…」と。大貫さんの口からは「いえいえ、自分達が一緒に心から素敵な時間を過ごさせていただいたことがとても嬉しくて…私自身が、恵まれない環境で育ってきたこともあって、ついそのような気持ちになりました。これも、何かのご縁だと思います。この後も、素敵なお時間をお過ごしください」と…。私からは「ご夫婦の結婚記念日でいらっしゃったんですね。お二人の会話から、とても素敵な奥様・お母様、ご家族でいらっしゃったんだなと想像されます。」と伝えると、「このような私にとってもったいないくらいの妻でした」「母は病気で亡くなったんですが、最期は何も食べれなくて苦しんで亡くなってしまって」とのお言葉をいただきました。

そのようなやり取りを終え、帰り際に大貫さんが、「なんか、素敵な親子さんだったよね…。自分が良いことをしたなんて全く思ってもいなくて、天国からお二人に、奥様からの感謝の気持ちを、大貫さん、代わりにお願いしてもらえますか?と…。伝えに来てくれた、そんな感じがするんだよね。」と一言。

大貫さんは、若いころに信号無視の車にはねられ、下半身不随の障害を負い、現在車椅子生活を送っていらっしゃいます。幼少時代から母子家庭で裕福な生活環境下にはなく、苦労の日々が続いたとのこと。しかし、人に対する思い・感謝の気持ち、そしてご縁を大切にする思いは人一倍深く、一日一日を一生懸命・真剣に生きている姿から多くのことを学んでいます。

私自身が、「本物のリハビリテーション」って何だろう?と問い続ける日々。障害を持ち自分の身の回りのことで精一杯のはずにも関わらず、あらゆる場面で他人の心に触れ、本気で寄り添う心を持ち続けている師匠。また、その周りには、心の豊かな方々がたくさんいらっしゃることに人としての原点を感じることができます。人に関わる専門職が当事者から学ぶことの大切さ、そこに本物があることを、生き様から気づかせて下さっていることに、改めて感謝の気持ちで一杯です。その大切さを、一人でも多くの方に伝えたい。私が講演アシスタントをさせていただいている理由でもあります。

↓↓↓大貫さんのプロフィールです

https://ameblo.jp/manatode/entry-12538275092.html

今日は母の日ですね。このタイミングで『太陽のような存在』であったであろう、天国の奥様・お母様が幸せを招いてくれた素敵な思い出となる時間に、心から「ありがとうございました」と伝えさえて下さい。

※写真は、その時のものです。思い出に撮影させていただきました。