今日も、学校に行けない彼。
朝9時。
布団の中で、お腹をかかえて、
横になっている13歳の、
痩せた息子を、今日は、
一緒に横になり、後ろから抱きしめた。
反抗期…で、
いつも不機嫌だった息子は、
黙って、抱きしめられていた。
怒りもせず。
不安だったんだと思う。
お腹をさすり、大丈夫、大丈夫、
痛いの痛いの、飛んでいけ!
こんなに、痛い思いさせる
君の腸、いい子になれ!
大丈夫、大丈夫。
背中に顔をつけたら、
とくん、とくん…
心臓の音。
涙が、出た。
私は、いったい、何を見ていたんだろう。
この子の不安や、辛さから
目を背けて。
不登校の親になりたくない…
嫌だ、辛い…
先に見たのは自分の気持ち。
それから、見たのは、
学校行ってさえくれれば、
勉強できなくても、もういいから
行ってさえくれれば。
私は楽になる。
そんな気持ちでいた。
学校で、腹痛の不安と
戦う彼の、不安、心細さを
弱さと思い。
とくん、とくんと動く心臓の音。
やせている、小さな肩。
まだ、まだ、少年の君。
小さな心。
痛いの痛いの、ママに来い。
君の痛みは、ママが受け取るから。
大丈夫、大丈夫。
身体をさすった。
ひとりきりで、不安にさせて
ごめんね。
お母さんがついてる。
だから、何があっても、大丈夫。
君を守るよ。
昨日までのお母さんじゃないよ。
ちゃんと、君の鼓動感じられるから。
安心して生きていいよ。
中学生になって、
成績優秀なお兄ちゃんと
同じ高校行って欲しい。
君ならできる
なんて…
無理させて。
ゲームを我慢して頑張っていた時期
辛かったね。
頑張ったのに、テストの時、
お腹痛くなって、パニックになって。
怖かったね。
毎日、毎日が、辛かったね。
君を見ていなくて。
君自身を、ちゃんと見てあげてなくて。
まだ、まだやれる。
もっと、もっと、頑張ってって。
そんなふうにばかり。
抱きしめた君の身体は、
まだ、子供で。
弱くて、華奢で。
とても、愛おしかった。
反抗したり、
強がったり、
怒っていた君の中に
弱くて、優しくて、綺麗な心がいた。
私は、君を産んだお母さん。
だから、どんなことが、これからあっても、
君を信じて。
必ず、良くなっていくと。
見守るね。
必ず、良くなる。
今は、ゆっくり休んで。
立ち止まったり、
休んだりすることは、大切な時間。
学校は、朝からはじまる、
ちゃんとはじまる。
でも、はじめられない人がいたっていい。
長い人生、そんな時期があってもいい。
13歳で、不安をかかえて、立ち止まっている。
どうしたって、足が動かない。
そんな経験を今してる
君は、人の気持ちがわかる
素敵な大人になれる。
明日も、あさっても、
きみが痛くて、辛い時、
母は、抱きしめるよ。
そう決心した朝でした。