12月5日で脳腫瘍6カ所のサイバーナイフ治療が終わった。計13回、妻はよく頑張った。毎回、お面をつけるのを嫌がっていた。顔の火照り以外の副作用は今のところない。
仕事を終え、いつものように夕方6時に病室へ。妻の夕食はいつものようにパン。僕の夕食もいつものように病院食。いつものようにシャワーに入り、「Nのために」を見て寝る。明日からの土日は外泊。妻はうれしそうにしている。
12月6日(土)。朝9時に病院を出て、自宅近くで娘を拾ってサンマルクでモーニング。いつものお気に入りのセット。ネットで探した美容室に電話する。この美容室は、抗がん剤治療の副作用で脱毛する患者にも対応してくれる所だ。色々説明したいことがあると言うので、一旦先に行くことにする。
まずは大学に娘を送る。娘の大学は週に寄っては土曜日にも講義がある。そして夫婦で美容室へ。オーナーは「これから抗がん剤ですか。大変やね。抗がん剤治療を始める前に、ある程度ショートカットにしておく方がいいですよ。抜けるからね。夜少し遅くなるけど、一般のお客が終わってからの夜7時からでいいですか?」入院中でなかなか来れないので、今夜、出直すことにする。
それまでかなり時間がある。娘を大学に迎えに行き、3人で近くのイオンへ。軽く昼食を食べ、楽しい買い物。妻は買い物が好きだ。女性はだいたいがそうかな。1月に娘の成人式があり、夜のパーティー用のドレスを見に行く。二人ともうれしそうに選んでいる。僕は少し離れた所から二人を見る。目頭が熱くなる。
ガストで夕食。再び美容室へ。椅子に座って妻は緊張している。27歳で結婚してからずっとセミロング。約30年ぶりにショートになるので、複雑な心境なんだろう。オーナーは髪の毛をバッサリ切ってゆく。ああ…と言ってるうちに、髪の毛は5センチくらいの長さになってしまった。カットが終わってウィッグを選ぶ。退院後に受け取ることにする。
自宅に帰ったのは夜9時。疲れた。妻はもっと疲れていることだろう。自分の頭を見て、「男の子になってしまった。可愛くもなんともない。あ~あ!」とすねている。「僕は結構、可愛いと思うけどな」と言うと、「パパは変わってるから!」と言われてしまった。このように元気でいてくれたら、妻がどんな格好でもきっと可愛いと思う。