「体にがんあるんか?」
この質問は、以前から体にがんがあることがわかっている人に聞くときの聞き方。
僕たちは何も知らないのだ。
さて翌日は家を早朝に出発し、大学病院へ。
まずは脳神経外科。以前からの脳外の担当医ではなく、脳腫瘍専門医のT先生。
T先生に診てもらうのは初めて。初めての医者の前では緊張する。特にコトがコトだけに・・・
T先生「脳に腫瘍が複数個あります。」
それは昨日聞いた。その先が気になってるのだ。
「右頭頂部に大きいのがありますね。そして視床に1つと小脳に2つあります。見えてるものだけで4個あります。」
正直、そんなにあるの?と思った。その時はがんに関してあまり知識がなく、あくまで単純にその数に驚いた。
昨日の夜、ネットで脳腫瘍を調べてみた。複数の脳腫瘍があるときは、体のどこかから転移したものだと。
T先生は、「右頭頂部のは5センチ位の球状です。これが悪さをして、体の左側の動きを妨げている。また水が溜まっているようなので、手術で穴をあけて水を抜きます。」
「体のどこかから転移したものと思われます。これから調べていきましょう。」
脳外の診察を終え、次は胸腹部CTと血液検査をした。そして放射線科のS先生(かなり年配)の診察。
「肺がんです。」
「やや大きめのが右肺にあります。」
「どれくらいの大きさですか?」
「握りこぶし大ですね。」
ぼくは恐る恐る「かなり深刻ですよね?」と聞いた。「大丈夫ですよ」との返事を期待して・・・
しかし期待に反して「楽観はできませんね。」と先生。
S先生の隣には若くてイケメンの先生がいた。本物のイケメンだ。名前はM先生。
S先生は今後の検査、入院後の手術や治療の概要を説明してくれた。
色んなことが急展開すぎて、何が起こっているのか頭がついていかない。また、妻が肺がん・脳転移なんて信じられないし、信じたくない。ほっぺたつねったら痛いかな?
途方に暮れる二人であった。