葉っぱを売ることをいちばん最初に思いついた町はいいけど、葉っぱならいっぱいあるけどそれを売ることは思いつけなかった町はどうしたらいいのか。
ほかの町も葉っぱを売り出してしまったらどうなるのか。
そうやって現金収入を増やして、お金のかかった暮らしをすることで、都会に出ていきたくなっちゃうんじゃないか。そうしたらますます過疎になっちゃうんじゃないか。
そういうひとつの町の中での悪循環、全体としての悪循環に答えてくれる本ではない。
でもいつかどこかで私は、そういう悪循環を知りながらも、それに真っ向勝負を挑むことに自分の時間を使わないという居場所に、しっくりと落ちついていたんだった。
ありのままの現実を見る力のない彼女は、ありのままの現実を耐え忍ぶことしかできなかった。というロマン・ロランさんのお言葉を思い出した。
ありのままの現実を見て見ぬふりをせず、自分という存在も無視せずに、現実の悪循環を断ち切ろうとするのではなく、それにできるだけ加担しないように暮らしていく。
そのための情熱がさわやかな一冊だった。



