2023年に書かれた小説
オール・ノット〜柚木麻子〜
乙女心をくすぐる様な素敵な装飾の本
(この写真ではうまく撮れてませんが、とても綺麗なティファニーブルーです。)
物語はコロナ前から始まり、昔の横浜、そしてちょっと先の未来へ、、、。
親からの仕送りも無く、奨学金を受けながらアルバイトを掛け持ちしていても生活に困窮している主人公が出会ったのは、スーパーの試食販売のやり手なおばさん、四葉さん。
見た目は地味だけど、何故かとても上品で、質の良い暮らしをしている彼女の生い立ちや、それまでの周りの人間達と共に物語は進んで行きます。
物語のキーは
「オール・ノット」
*真珠のネックレスが切れてもバラバラにならない独特な繋げかた。
・全部ダメなのはAll not
・真珠の繋げ方はAll knot
「all notは全部ダメって意味もあるけど、全部ダメってわけでもない、って意味もあるんだよ。
そうだよ。全部ダメってわけじゃないんだよ。なにごとも」
「他人同士の絆や個人が持つ知恵に頼る以外、この国では生きていけない。その絆が切れたら、絆のもろさを指摘される。個人の至らなさを指摘される。全部ダメだと言われる。そもそも目の前の1人を助けたくらいでは何も解決しない、と言われる。人が人に手を差し伸べる行為は偽善でエゴでなにより無駄で、その人のためにならないからむしろ最初からしない方がいいくらいだ、と言われる。
でも、全部が全部ダメなんてこと、本当にあるのだろうか。」
特にここの部分には考える所があった。
日を改めてもう一度読んでみようと思います。