悪口を言われた釈迦の対応
あるところにお釈迦さまが多くの人たちから尊敬される姿をみて、ひがんでいる男がいました。
『どうして、あんな男がみんなに尊敬されるんだ。』
男は、お釈迦さまをギャフンと言わせるための作戦を練っていました。
ある日、その男はお釈迦さまの散歩ルートで待ち伏せして、群衆の中で口汚くお釈迦さまをののしってやることにしました。
『お釈迦さまの野郎、きっと俺に悪口を言われたら、汚い言葉で言い返してくるだろう。その様子を人々が見たら、あいつの人気なんてアッと言う間に崩れるに違いない』
そして、その日が来ました。
男はお釈迦さまの前に立ち、ひどい言葉を投げかけました。
お釈迦さまは、ただ黙って、その男の言葉を聞いておられました。
弟子たちはくやしい気持ちで・・・
『あんなひどいことを言わせておいていいのですか?』
とお釈迦さまに尋ねました。
それでも、お釈迦さまは一言も言い返すことはなく、黙って悪態を聞いていました。
男は一方的に言い続けて疲れたのか、その場にへたりこんでしまいました。
どんなに悪口を言っても、お釈迦さまは一言も言い返さないので、なんだか虚しくなってしまいました。
その様子を見てお釈迦さまは静かにその男にたずねました。
もし他人に贈り物をしようとして
その相手が受け取らなかった時その贈り物は一体誰のものだろうか
こう聞かれて男は突っぱねるように言いました。
そりゃ、言うまでもない
相手が受け取らなかったら贈ろうとした者のものだろう
わかりきったこと聞くな
あっ
そうだよ
今あなたは私のことをひどくののしった
でも、私はそのののしりを少しも受け取らなかった
だから、あなたが言ったことはすべて、あなたが受け取ることになるんだ
お釈迦さまは相手の言葉を耳に入れても心までは入れず、鏡のように跳ね返しました
言葉は時として人の心を傷つけるナイフです
そのナイフは全部自分に返ってきます。
悪口を言い続けた男も、相手にしないと疲れたようですね。
同じように言っては、相手と同じですよ。
嫌な言葉・行動
それを受け取ってしまい苦しくなるのです。
そんな時は心の中で・・
受け取りません
全部あなたにお返しします
と言って返していくのです。
それをくり返しして行くと・・
私受け取っていないから大丈夫と思えるようになり、楽になりますよ
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