※こちらの記事は2019年、S.K.Y 21 Marketing Pte Ltd様が運営されるECサイト内のブログ掲載用に執筆しました。主な顧客であるシンガポールの消費者の為に、チューハイとは何かを認知してもらい販促に繋げる事を目的としたPR記事です。(掲載時の原文記事は英文です)

 

今回は、2001年から販売を開始したキリン氷結がどのようにして缶チューハイ市場に革命をもたらしたのかをお伝えしていきます。缶チューハイについては、以前の記事「日本で独自に進化を遂げたお酒チューハイ」で触れました。まだ、読んでいない方は是非チェックして下さいね。

 

焼酎ベースからウォッカベースへ

 キリン氷結は、チューハイ=焼酎ベースという概念を覆した商品です。ベースのお酒を焼酎から、ほとんど無味無臭のウォッカに変えたのです。キリンの酒造技術研究所の調査によると、缶チューハイ市場が拡大しはじめた1999年当時、缶チューハイは若い世代の消費者の獲得に苦戦していました。それは「飲みやすさ」「若い世代にぴったりなスタイリッシュさ」というニーズに応えられていなかったからです。

 そこでキリンは自社初の缶チューハイを開発するにあたり「スッキリと飲みやすい味」「現代的で若々しいイメージ」「高品質で個性明解なブランド」をコンセプトに商品開発をはじめました。ベースをウォッカに変えるという斬新な選択に加え、フレーバリングでは香料主体ではなく、キリンが独自に開発した「氷結ストレート果汁」を使用しました。

 

 そして缶のデザインにもこだわりがあります。

「ダイヤカット缶」と言われるこのデザインは当時とても斬新でした。

「氷結」という名前の「氷」はアイスと言う意味です。氷を連想させるようなデザインであるのと同時にこのデザインの役割は他にあります。それは、缶を開封する時に「パキッパキッ」と言う音が出るので、それが氷の割れる音を連想させ飲む前から爽快感を与える役割をしているのです。

 

そして大ヒットへ

 斬新なアイデアと高度な技術そして飲料の専門家達の英知の結集によってキリン氷結は2001年に誕生しました。従来の缶チューハイの常識を根底からくつがえしたこの商品は、見事に若者の心を捕え爆発的にヒットし缶チューハイ市場を牽引するリーダーとしてのポジションを獲得しました。そしてリキュールベースの氷結やアルコール度数9%の氷結ストロング、糖類、プリン体、人工甘味料ゼロの氷結ZEROなど商品に様々な付加価値を生み出していきます。

 2019年10月現在、日本国内で販売されている「氷結シリーズ」は33種類にもなります。(期間限定販売を含む)キリン氷結の誕生をきっかけに、缶チューハイ市場に「脱焼酎」の波が押し寄せましました。フレイバーも桃やリンゴなどの甘い系や、度数も3%と低いものから9%と高いものまで様々なスタイルが次々に登場していきました。細分化した消費者ニーズを堀さげながら缶チューハイ市場は現在も成長し続けています。昨今ではシンガポール、韓国、台湾など海外にもファンを獲得し始めています。

 

他にはないフレッシュなフルーツフレイバー

 キリン氷結を紹介するにあたり、あまりにも多い魅力に何からお伝えして良いのか迷うほどです。その中で最もお伝えしたいのは「氷結ストレート果汁」についてです。加工食品に一般的に使用される果汁は「濃縮還元果汁」です。濃縮還元果汁は搾汁後、水分を飛ばして体積を5分の1〜10分の1まで小さくすることで輸送の効率が上がるというメリットを持ちます。しかしその一方で果物の新鮮な香りは水分と共に失われてしまいます。「氷結ストレート果汁」は収穫した果実を搾汁して急速凍結するシンプルな工程で製造されます。水分は飛ばしていません。よって果物の水分に含まれるフレッシュな風味を感じることができます。「氷結ストレート果汁」を例えるならば、ジャムではなく生の果物です。キリンは、このストレート果汁の風味を最大限に活かす為に味に癖のある焼酎ベースをやめ替わりにほとんど無味無臭のウォッカをベースに選んだのです。