2020MTNA(Music Teachers National Association)全米コンファレンスにて、インディアナ大学ピアノ科教授、David Carledge と Gregory Sioles が、オーディションについて、目的、選曲、その他の注意点などを対談形式でシェアされたものを日本語に訳しました。

 

オーディションの成功と奨学金獲得のために参考にして下さい。

 

 

 

C: 今日はオーディションとはどういうものか、お話ししたいと思います。

 

コンクールとオーディションは似ているようで、とても違うと思います。オーディションは優勝者を決めるものではありませんよね。

 

S:そうですね。今日のこの対談は、受験生にオーディションというものを良く知ってもらうのが目的ですね。

 

C: オーディションの審査をする時、私達はその受験生を教えたいか?と自問しますよね。

 

S: そうですね。受験生にとっても私達にとっても長い付き合いになるわけですから、その生徒が自分の選んだコースで成果を上げる事ができるか、考えながら聞きますね。

 

また、その受験生が臨機応変に現状に対応できるかを観察します。弾いているピアノにすぐ合わせられるか、また、それぞれに曲のスタイル、特徴を表現した演奏ができるか。

 

C: そうですね。その受験生の可能性を見極めようとしますね。

 

S: また、自分を素直に見せて欲しいです。人から求められている演奏ではなくて、自分が何が好きかを素直に表現して欲しい。

 

C: 受験生達の中には長い期間練習して、時には2年間とかかけて何度も演奏している曲を弾いている場合がありますが、大学に入ったらそんなに長く1曲にかける時間はないので、もし2年もかけているとしたら、ちょっと心配します。

 

S: ではオーディションにふさわしい演奏とは?

 

C: リサイタルの場合は日時を自分で指定し、事前にその場所、そのピアノで練習できますが、ライブ・オーディションではそれはできませんね。

 

S: 演奏時間も指定された時間より前になったり後になったりすることがありますね。

 

C: その上、周囲にたくさんの受験生がいて、流れ作業のようにオーディションを受けていく感じがしてしまいますが、私達は一人一人の受験生との出会いをとても大事にしています。なぜなら私達の判断がその受験生の将来に関わってくる場合もあるからです。

 

S: ではオーディションの会場に入ってきた受験生には何を期待しますか?

 

C: その人のことをちゃんと知りたいので、勿論名前を聞いて、出身地や、今日弾く曲など聞いていきますね。

 

S: そのような会話を通しても、その人を知れますよね。また、会話をしているうちに受験生が落ち着けるでしょう。

 

ではいよいよその受験生はピアノのところに座って演奏を始めますが・・・

 

C: 初めてのピアノですが、何が起こっても対応していかなければなりません。まあ、これはピアニストの宿命ですね。

 

北アメリカはオーディションの時期が真冬ですから、ピアノが暖房などの影響を受けることもあります。

 

でも良いこともありますよ。審査員はそのようなトラブルを良く知って、大目に見てくれます。

 

S: そうですね。思わぬ音が出ても、動じずに対応しながら弾き続ける事が大事ですね。それができたら、審査員にとても良い印象を与えますね。

 

C: では選曲について話していきましょうか。

 

🎶🎶 続きは『教授達が語る実技対策【1曲目、選曲】』をご覧ください。🎶🎶

 

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