半暮とは「半グレ」を指しています。
ヤクザは現在法律で厳しい取り締まりに遭い、青息
吐息です。
一方、一般人扱いである半グレ集団は、特殊詐欺な
どの犯罪集団の代表格です。
しかし一般人であるから逮捕、起訴、有罪判決にで
もならない限り表には出てきません。
つまり半グレを見分けることは難しいのです。
その半グレ出身の2人の若者が物語の主人公です。
ひとりはヤクザにまで身をやつしますが、その後は
更生し、ささやかな家庭を築くことが出来ます。
もう一人は半グレだった過去を隠し、エリート街道
を歩みます。
このエリート社員が置かれる環境が半グレの巣窟と
言ってもいいのです。
エリート社員が務める会社は広告代理店であり、東
京五輪を彷彿とさせるようなビッグイベントを手掛
けます。
政・財、あらゆる業界や団体が利権を求めて群がっ
てくる様は、ヤクザよりもタチが悪い半グレ集団の
ようなものなのです。
二人の主人公が交錯するときに読者は考えさせられ
ます。
「真の悪は誰だ」と。
現代社会の闇をえぐり出した骨太の一冊です。
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