・「半暮刻」月村了衛 著 | 有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

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多読はするもののインプットと比較してアウトプットが極端に少ない。
そこでブログを利用することにしました。
ノンフィクションが好きなジャンルです。齋藤孝氏もよく読みます。
さらっと内容に触れただけの読書日記ですが、読んでいただければ幸いです。

 

 

半暮とは「半グレ」を指しています。

 

ヤクザは現在法律で厳しい取り締まりに遭い、青息

吐息です。

 

一方、一般人扱いである半グレ集団は、特殊詐欺な

どの犯罪集団の代表格です。

 

しかし一般人であるから逮捕、起訴、有罪判決にで

もならない限り表には出てきません。

 

つまり半グレを見分けることは難しいのです。

 

その半グレ出身の2人の若者が物語の主人公です。

 

ひとりはヤクザにまで身をやつしますが、その後は

更生し、ささやかな家庭を築くことが出来ます。

 

もう一人は半グレだった過去を隠し、エリート街道

を歩みます。

 

このエリート社員が置かれる環境が半グレの巣窟と

言ってもいいのです。

 

エリート社員が務める会社は広告代理店であり、東

京五輪を彷彿とさせるようなビッグイベントを手掛

けます。

 

政・財、あらゆる業界や団体が利権を求めて群がっ

てくる様は、ヤクザよりもタチが悪い半グレ集団の

ようなものなのです。

 

二人の主人公が交錯するときに読者は考えさせられ

ます。

 

「真の悪は誰だ」と。

 

現代社会の闇をえぐり出した骨太の一冊です。

 

 

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