2022年の本です。
著者は過去にも「ヤマト運輸」や「ユニクロ」に
潜入して、その企業体質などの内幕を赤裸々にレ
ポートしてきた硬派ノンフィクションライターで
す。
今回はなんとトランプ元大統領の支援者団体に潜
入して、2020年の大統領選まで、そしてあの連
邦議事堂襲撃事件も併せて内情をレポートすると
いうのだ。
言葉の心配はないそうだが、一体どうやって、と
いうのが最初の印象です。
しかし過去の潜入とは異なり、支援団体であるの
で特に厳しい面接もなく、しかも「トランプの何
に惹かれて応援しているのか」を取材するだけな
ので、それほど困難ではなさそうでした。(そう
でもないかな)
むしろ支援団体の活動の合間を縫って、他の支援
団体への取材の為に移動する距離が凄まじく、さ
すがアメリカだな、と感じました。
支援者の取材とはいえ、これが非常に面白いので
す。
まさに「信者」なのです。
あらゆる対立メディアは「フェイクニュース」と
切り捨てて、選挙までもが不正だと言って結果を
受け入れない姿は、まさにミニトランプだらけな
のです。
2016年から4年間のトランプ政治を見ていた米
国民は、さすがに「このままではまずい」と思っ
たのか、2020年の投票率は飛躍的に伸びたそう
です。
トランプの功績と言えばこの投票率の伸びだけだ
と著者はバッサリと言い捨てます。
ポピュリズム政治の恐ろしさを垣間見る一冊です。
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