こういう旅の仕方はいいものです。
テーマを持って、関連した場所を巡るのです。
時間が無ければ何回かに分けてでも良い。
この本での旅のテーマは「アイヌ」です。
ゴールデンカムイなどの影響で北海道ではアイヌ
を観光の目玉に据えようとしているらしいです。
それにより東京から観光客が大勢来てくれるかど
うかではなく、いわゆる「ハコモノ」が作れるか
らだそうです。
なんとなくの知識では見えてこないハコモノが、
テーマを持って訪れた人にとって全く無駄である
ことが見えてきます。
まさに著者はその眼力を持って、各地のアイヌ関
連施設を訪れています。
実際には和人はアイヌを開拓の際に追い出してし
まった歴史があります。
著者の眼力は、そういった本当の北海道の姿を浮
かび上がらせます。
何より著者は、全て公共交通機関を使って北海道
を移動しているのです。
そこではアイヌだけでない別の弱者も切り捨てら
れようとしている姿も見えてきます。
やっぱり旅は歩きだ、と再認識させられる一冊で
す。
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