明治11年に女性一人で(正確には通訳の男性
を連れてたそうですが)、東北から北海道ま
で旅をして、その見聞を「日本奥地紀行」と
いう本にしたためたイザベラ・バードの本で
す。
特に山形県米沢市あたりを「東洋のアルカデ
ィア」と褒めちぎったことはよく知られてい
ます。
ただ、それはあくまでその時の感想を切り取
っただけであり、実際の道中では当時の日本
人の身なりに非常に不快感を抱いています。
一方で危険な目に遭うことはなく、日本人の
勤勉さ、特に労働においてその真面目さに感
心しています。
そうなのです。この「日本奥地紀行」という
のは、当時の東北の暮らしがどのようなもの
であったのかの学術書でもあるのです。
そんな書を今一度トレースすることにより見
えてくる日本人のアイデンティティを綴った
のがこの本です。
明治維新からたった10年程度しか経っていな
い、しかも戊辰戦争の地でもあった東北地方
での当時の日本人は、どのように時代という
ものを受け止めていたのかが、わずかではあ
りますが知ることができる一冊です。
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