・「やきとりと日本人」土田美登世 著 | 有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

多読はするもののインプットと比較してアウトプットが極端に少ない。
そこでブログを利用することにしました。
ノンフィクションが好きなジャンルです。齋藤孝氏もよく読みます。
さらっと内容に触れただけの読書日記ですが、読んでいただければ幸いです。

やきとりと日本人 [ 土田美登世 ]

¥842
楽天

ついに出ました。
外国人からすると、なぜか日本食=やきとり(BBQチキン)となるほど
日本食として定着している焼き鳥ですが、その由来をキチンとまとめた本は
ありませんでした。
そんな不満を解消してくれるザ・ヤキトリ本です。

ルーツを紐解くと、肉食を主としていなかった日本人にとって、やきとりの
歴史は意外に浅いのです。
材料である鶏は卵を得るために飼っていたので、卵を産まなくなった鶏を
締めて時々食べていた程度だったらしいです。
これじゃあ美味しくない。
ゆえに、そのため「鶏肉」だけでは商売にはならず、ブタやウシの内臓つまり
モツなども一緒に焼いて出していたので、今も焼き鳥屋でも同列にブタやウシ
が同列に扱われている店が多いらしいです。
ついでに季節的な食材としてウナギも焼いて出していました。
歴史ある焼き鳥屋などは、ウナギも出すところが今も多いかと思います。

しかしこの卵を産まなくなった鶏では美味しい焼き鳥など出せるはずがありません。
この流れを変えたのが、いわゆるブロイラーの誕生です。つまり食肉用の鶏肉の
出現です。
その後、ご存知のように地鶏や銘柄鶏などが確立され、なんとミシュランにも
掲載される焼き鳥屋が登場しているのはご存知の通りです。

日本食として定着している焼き鳥ですが、そのルーツは江戸時代でしかないのが
ちょっと意外な感じでした。