10年ぐらい前の映画ですが、
カンフー映画が好きで、ずっと気になっていて
最近ようやく1作目を観ました。



主人公は「詠春拳」使いで
正に"達人"と呼ぶにふさわしい人格と技術を持った葉問(イップ)。


イップが町の人との交流や戦い、家族、自身の環境、
そして占領側である日本軍との向き合い方、
どのシーンも丁寧に書かれており、脇を添える仲間やライバルたち、

家族との関係の描かれ方も美しく素晴らしい名作映画でした。


特にシーン毎に流れる荘厳な音楽は
寡黙なイップマンの心を代弁しているかのように感じ
観ている側の心の中にまで入り込んでくる名曲揃いでした。

 

 

主人公がオチャラケでも若者でもなく、
熟練の大人で落ち着いた人物というのは
自分の中では新しいカンフー映画でした。

ストーリー構成も起承転結を抑えていて、

起:街の中での立ち位置、
承:徐々に確実に広がる有名
転:日本軍に占領されてからの環境の変化
結:全てがまとまったラストへ


と飽きずに最後までテンポよく見せてくれました。
重いシーンが多いので観る場合の注意点として、
少し気分が悪くなったりするシーンもあるかもしれません。
ただその暗いシーンの中で人がどう生きるのか?
というのはとても考えさせられるテーマです。

時代背景の関係から日本人は基本敵役として描かれているのですが、
(そのため公開当時1作目は日本では未公開だったとか…)
日本軍のトップの閣下(三浦)の人格は良い風に描かれていたのが救いでした。
部下の佐藤は意図的にでしょうけど、とても憎らしく小物感が良く出ていましたね。



街の他の師匠たちもそれぞれ良いキャラしてたなー。
仲の良い熱いお兄さん(名前失念)は、
確かカンフーハッスルでも拳法家として出ていましたね。

ということで久しぶりに大人向けのカンフー映画を楽しませて頂きました。
シリーズとして数作続くらしいので2作目以降も楽しみな作品です。