人魚シリーズ
普段の高橋先生のコメディタッチとは違い、濃密でシリアスな雰囲気。緊迫感のある表情やホラー的演出が多く、人間の“恐怖や欲望”を鋭く描いています。特に暗い背景や人魚の不気味さは、強烈に記憶に残ります。
「人魚の肉を食べれば、不老不死になれる――」
けれど、それは永遠の命を与えるのではなく、狂気と破滅をもたらす呪いでもあった…。
著者:高橋留美子
出版社:小学館
巻数:全3巻(短編集/『人魚の森』『人魚の傷』『夜叉の瞳』収録)
ジャンル:ホラー/ダークファンタジー
メディア展開:OVA(1991年・1993年)、TVアニメ『人魚の森』(2003年)
あらすじ
人魚の肉を食べ、不老不死となった青年・湧太(ゆうた)は、数百年にわたり孤独な旅を続けています。
ある日、同じく不老不死の少女・真魚(まな)と出会い、二人は人魚の肉に翻弄された人々や怪異と関わっていくことに。
不死という一見羨ましい力が、実はどれほど過酷で孤独かを描き出すダークファンタジーです。
感想
高橋先生の作品では珍しいテイストなのでは無いでしょうか?
シリアス基調ですが、もちろん面白いです。
人魚の肉を食べたら、どうなるのか・・
ぬ~べ~の速見ちゃんの人魚肉とは違いますね。
そう考えると人魚の肉なんて食べる物じゃないですね。はい。
おすすめポイント
「不老不死は祝福じゃない、呪いなんだ…」
湧太の苦悩と真魚の強さが交差するシーンは、シリーズ全体を象徴する言葉です。
・永遠の命が本当に幸せなのかを突きつけるテーマ性
・一話完結形式で描かれる怪奇譚のような緊張感
・普段の高橋留美子作品とは違う、重厚で大人向けの雰囲気
こんな人におすすめ
・『犬夜叉』のダークな側面が好きだった人
・ホラーや怪談、ダークファンタジーが好きな人
・「永遠の命」というテーマに興味がある人
笑いや恋愛が中心の高橋留美子作品の中で異彩を放つ恐ろしくも美しい物語。
人魚の肉をめぐる人々の悲劇は、読む人の心に深く刻まれます。