アルキメデスの大戦
山崎貴監督らしいVFXを駆使した戦艦・戦闘シーンが圧巻。戦争映画というより、会議室や造船所での駆け引きが中心ながら、映像的にも迫力と緊張感があります。戦艦大和の巨大さや設計図のディテールまで、緻密に描かれています。
1933年、日本海軍は新たな巨大戦艦建造計画を巡って揺れていた。軍縮条約下での予算争いの中、山本五十六はこの計画の裏に潜む不正を暴くため、ある若き数学者に白羽の矢を立てます。
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監督・脚本:山崎貴
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原作:三田紀房『アルキメデスの大戦』
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出演:菅田将暉(櫂直)、舘ひろし(山本五十六)、浜辺美波(尾崎鏡子)、柄本佑、笑福亭鶴瓶、小林克也、田中泯 ほか
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製作年:2019年(日本)
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ジャンル:歴史ドラマ、戦争前夜の社会派サスペンス
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上映時間:130分
海軍省は国威発揚のため、世界最大の戦艦建造を推進。しかしその建造費や必要性には疑念がありました。山本五十六は、反対派として櫂直という変わり者の天才数学者を招き、建造費の精査を依頼します。櫂は独自の方法で計算を進める中、軍部や造船関係者の思惑、そして時代の流れに翻弄されながら、真実に迫っていきます。
感想
実話かな?と思うほど、ありそうな話ですがフィクションでした。
戦時中とはいえ菅田さんの演技など笑えるシーンもあり楽しかったです
最後の戦艦大和 沈没は圧巻でした。
流石に映像も綺麗でしたね
現在、大和は鹿児島県の宇治群島宇治向島付近に沈んでいるそうです
2016年に呉市の依頼で海底の大和の写真などを撮影。
50時間の映像と7000枚の写真が撮影され、そのデータを元に海底の大和の9分間の3D動画が作成された。
動画は大和ミュージアムの企画展示として公開されている
見所
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巨大戦艦のサイズや重量を数学的に導き出す櫂の推理過程。
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山本五十六との対話で見える、国の未来に対する冷静な視点。
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ラストシーンで描かれる時代の波に呑まれる予感と、それを見送る複雑な表情。
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数字で戦う主人公:戦争映画でありながら、武力ではなく数学と論理で挑む斬新な構図。
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歴史の必然と悲劇:いくら真実を突きつけても、時代の流れを止められない無力感。
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政治と理想のせめぎ合い:国家事業に潜む不正や思惑が、現代にも通じるテーマとして響く。
こんな人におすすめ
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戦争を舞台にした知的な駆け引きの物語を楽しみたい方。
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戦艦大和の歴史や背景に興味がある方。
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菅田将暉や舘ひろしの演技を堪能したい方。
数字と論理で歴史のうねりに立ち向かった一人の青年の物語です。
迫力ある映像と緊迫の人間ドラマが融合し、観終えた後に深い余韻と問いを残します。