縞模様のパジャマの少年
映画 ポスターより
マーク・ハーマン監督が子供目線で描く映像は、典型的な戦争映画とは異なり、静かで抑制された叙情性を通して、戦争の日常の崩壊を切実に浮かび上がらせています。背景やフェンスといった映像要素が、物語の象徴として機能しています。
第二次世界大戦下、ナチス将校の息子であるブルーノは、ベルリンの都会から鄙びた田舎へと引っ越さざるを得なくなります。退屈と孤独に苛まれる毎日──そんな彼が窓から見た農場は、のちに恐るべき実態として現れる、導入部の静けさが胸をひきしめます。
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監督/脚本:マーク・ハーマン(Mark Herman)
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出演:
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ブルーノ:エイサ・バターフィールド(Asa Butterfield)
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シュムエル:ジャック・スキャンロン(Jack Scanlon)
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父ラルフ:デヴィッド・シューリス(David Thewlis)
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母エルサ:ヴェラ・ファーミガ(Vera Farmiga)
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製作年:2008年(イギリス・アメリカ合作)
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ジャンル:歴史ドラマ / ホロコースト(戦争)
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上映時間:約94〜95分(約94分)
サクッとあらすじ
ナチスの一員である父の赴任により、ブルーノ一家はドイツからポーランドの片田舎へ引っ越します。ある日、裏庭で縞模様のパジャマを着た少年(シュムエル)を見つけたブルーノは、フェンス越しに友情を深めていきます。しかし、シュムエルはユダヤ人収容所の囚人であり、ブルーノも事情を知らず接触を続けていく……。やがてその無邪気な好奇心が、取り返しのつかない結末へと導いてしまうのです。
感想
おすすめ映画として出ていたので鑑賞。
戦争中とはいえ2人の可愛い少年が友情を深めていく姿に微笑ましさを誘います。
子供目線と言う珍しい作品。
でも子供目線って大体、残酷なんですよね
もう!大人たち!!戦争なんかしてるんじゃない!!って言いたくなりますね。
短いながらに深く やるせなさを感じさせられる作品です。
また この作品のパッケージが良い!もう一目瞭然!!
見所
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フェンス越しの友情:ブルーノとシュムエルが有刺鉄線の向こう側でお互いの誕生日を喜ぶなど、国境を超えて通じ合う純粋さが強く印象づけられます
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皮肉な最期のシーン:収容所の内部に入り込んだブルーノが、シュムエルと共にガス室へ連れて行かれてしまう——友情が悲劇の伏線であったかのような結末が、切なすぎます。
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子供の眼を通したホロコースト描写:戦争の残酷さを無知な子どもの視点で浮かび上がらせるからこそ、観る人に鮮烈な印象を残します。
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無知がもたらす悲劇:知らないことの恐ろしさを痛感させ、歴史の学びの必要性を問いかけます。
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感情を揺さぶる結末:静かな余韻とともに、胸に深く刻まれる衝撃が、鑑賞後も長く響き続けます。
こんな人におすすめ
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ホロコーストや戦争を子供の視点から考えたい方
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深い感動と余韻を伴うドラマを好む方
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歴史と人間性について静かに考えさせられる作品を探している方
無邪気な友情と戦争の現実が交錯する悲劇的な物語。静かに見つめるしかないその結末は、私たちの胸に問いを残し、長く忘れられない余韻を与えてくれます。