浅田真央が鳴らした鐘。 | SingleFather*Blog

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ワンと暮らす一人身のひとりごと。たまに社会動物環境整備協会認定のドッグライフカウンセラー。ミニチュアダックス犬のTommyとの生活記。

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あれほどまで重いものを背負いながらも、最後までトリプルアクセルに拘って堂々と世界と戦った19歳のフィギュアスケート選手。競技としての結果は本人にとって無情であっても、彼女が鳴らした鐘は演技を見た全世界の人々にその音が伝わったはずです。

グランプリシリーズや世界選手権はスケートが好きな人しか見ませんが、オリンピックはその何十倍、何百倍の人が見ます。グランプリシリーズでの絶不調を目の当たりにして、多くの関係者やファン、マスメディアがフリーの『鐘』の重さを指摘し、師であるタラソワコーチまでが『新プログラムはすぐに用意できる』と言ったようですが、この19歳の選手はこの曲でトリプルアクセルを跳ぶことに拘りました。

自身が技巧派4回転ジャンパーの履歴を持ち、今回のオリンピックで本家Yahoo!のコメンテーターを務めたエルヴィス・ストイコが唯一、『アスリート』という言葉を使ったのは男女通じて浅田真央選手だけです。

キム選手は今後のスポンサーシップの関係もあり、この点数でのプロ転向が最善策であり現実的だと思いますが、真央ちゃんはキム選手本人がいなくても彼女が競技会で残したレジェンドと戦っていくような気がします。もちろん、キム選手もまだ若いので、ソチを目指すかもしれませんが。

真央ちゃんは、あの点数を越えるために加点に頼らない3A+3αのチャレンジをするかもしれませんし、スパイラルやらスピンで新技をやるかもしれません。でも、やっぱりそれが彼女らしさであって、チャレンジすることを忘れない真央ちゃんの魅力でもあると思うのです。

美しければ加点、安定してれば加点。色々議論のあるところだと思いますが、今回の大会でアスリートとしての真央ちゃんが鳴らした鐘は、いろんな意味で今後共鳴していくのではないかと思います。

何故彼女が最後までこの曲に拘ったのか? 最後の天を仰ぐポーズの意味がやっと分ったような気がします。聞こえた音は人それぞれですが、誰もが彼女が鳴らした鐘の音を感じたはずです。



最後に。『タラソワは来もせずにやる気あんのか!』というメディアばっかりでしたが、シャネッタ(ザンナ)コーチが旦那を祖国に残して日本人のために時間を費やして一生懸命やってくれたこと。これ、感謝しないといけないと思います。