NEW-SEUM(47)
昭和レトロの映画館★「新世界国際劇場」閉館…異彩放つ手描き看板、労働者らの娯楽の場
556-0002大阪市浪速区恵美須東2-1-32/06-6641-5931
大阪・新世界の映画館「新世界国際劇場」(大阪市浪速区)が★3月末に閉館します。レトロな建物と手描きの看板が名物で、昭和の時代から労働者らの娯楽の場として親しまれてきましたが、老朽化もあり、建物が解体される見込みです。突然の閉館に、関係者やファンから惜しむ声が・・・同劇場は通天閣のほど近くにあり、中は吹き抜け構造で約300席を備え、主に過去の洋画を上映。地下には成人映画のスクリーン(地下劇場)もありました。一般1000円で3本立てを見ることができる「名画座」で、オールナイトの営業も行ってきました。建物は昭和5年(1930)、芝居小屋★「南陽演舞場」として建設された歴史ある建築で、三木楽器本店(国の登録有形文化財)や精華小学校(現在は解体)などを手がけたことでも知られる建築家★増田清が設計しました。
目を引くのは、劇場の前に掲げられた手描きの看板です。毎週入れ替わる上映作のタイトルや俳優の顔が独特のタッチで描かれ、異彩を放ってきました。映画は、付近で働く労働者らにとって欠かすことのできない娯楽だった。約30年前から働く3代目社長★冨岡和彦さん(58)は「客同士のけんかに仲裁に入るなんて日常茶飯事。仕事にあぶれた労働者がここで一夜を明かすなど、生活の場にもなっていた」と振り返る。だが、雨漏りするなど施設の老朽化が進み、改修工事に数千万円が必要だと判明。近年は日雇い労働者の数も減り、空席が目立つようになっていた。冨岡さんは「うちの役割も終わりかな」と閉館を決め、今月上旬に貼り紙を出した。ネットで存続を求める署名も始まったが、予定通り3月末で営業を終える。冨岡さんは「昭和の新世界が過ぎ去っていくことに、正直、割り切れない気持ちもある。それでも、長年愛してくれたファンにお礼を言いたい」と語った。「手描き看板ならではの温かみがあり、観客をワクワクさせられる。せめてあと何年かは続けたかった」看板を描いてきた絵師★八条祥治さん(69)。「八條工房」(大阪市西成区)には過去に手がけた作品が並んでいる。俳優の顔などをプロジェクターで投影して輪郭をスケッチし、アクリル絵の具を塗り重ねて陰影を表現する。これまで、オードリー・ヘプバーンやチャップリンなどの名優から「プレデター」「アバター」といったヒット作まで、何でも描いてきた。まだ手描き看板が当たり前だった1980年、看板制作会社に勤めていた絵師の父親が独立。当時23歳だった八条さんは運搬作業などを手伝い、やがて自らも絵筆をとるようになった。
しかし、得意先の映画館は閉館していき、看板もデジタル印刷が主流に。父も亡くなり、最後に残った定期的な仕事が、この劇場だった。
・・・「松竹座」は残り「新世界国際劇場」は~明日からもう4月!
