月の調べ(16) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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「パプリカ」の歌詞に「影法師」が登場したので・・・
★「影法師(かげぼうし)」は、太陽や★月の光によって地面や壁に映し出される人の影を意味する言葉です。単なる「影」とは違い、やや詩的・情緒的なニュアンスを持って使われることが多く、文学作品や和歌、昔話などにも登場します。現代で日常的に使うことは少なくなっていますが、「夕暮れの道に長く伸びる影法師」といった形で、人の存在や気配をやわらかく表現するときに用いられます。また、「影法師」の語感にはどこか懐かしさ・哀愁・余韻があり、単なる物理現象を超えた“人の気配”や“思い出”を表すような文学的な使い方も魅力のひとつです。
★恋すれば我が身は影となりにけりさりとて人に添はぬものゆゑ(古今528)
★よるべなみ身をこそ遠くへだてつれ心は君が影となりにき(古今619)
★曇り日の影としなれる我なれば目にこそ見えね身をばはなれず(古今728)
・・・古今和歌集には「影」という表現が多く見受けられました。古典日本語の「影」は、現代日本語の「影・光・姿・記憶」など、★意味が多義的な言葉です。私の多面作品にも多義的な?「影」が生じます。見て下さる方々に楽しんでいただけることを期待しています。