月の調べ(9) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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★雪月花(せつげつか、せつげっか)は、★白居易の詩「寄殷協律」の一句「雪月花時最憶君(雪月花の時 最も君を憶ふ)」による語。雪・月・花という自然の美しい景物をさす語である。
五歳優遊同過日 一朝消散似浮雲
琴詩酒伴皆抛我 雪月花時最憶君
幾度聽鶏歌白日 亦曾騎馬詠紅裙
呉娘暮雨蕭蕭曲 自別江南更不聞
— 白居易、寄殷協律
★「雪月花」は日本の詩歌においては、これら三種を一度に取り合わせたものをさすものとしてしばしば用いられる。日本語における初出は『万葉集』巻18に残る★大伴家持の歌である。「宴席詠雪月梅花歌一首」と題して「雪の上に 照れる月夜に 梅の花 折りて贈らむ 愛しき子もがも」(4134)の歌がある。すなわち月の明るい折に、雪と花をあわせたものを提示するという遊戯的な設定を和歌の題材としたものである。この取り合わせは『枕草子』の一節に★村上天皇の挿話として見え、日本の宮廷文化においては、しばしば珍しい取り合わせとして、また「最君憶」(最も君を憶う)との連想において好まれた。「雪月花時最憶君」は『和漢朗詠集』交友の部に前句とともに採られており、先に触れた村上天皇の挿話もこの連想を下敷きにしたものである。なお、大伴家持の歌は749年・32歳の作で、白居易の詩は825年・54歳頃の作と考えられている。
音読語としては「雪月花」が用いられることが多いが、★和語としては「月雪花」(つきゆきはな)の順で用いることが伝統的。こちらのほうが秋→冬→春という季節の順に合っており、後の江戸文学にもこの配列が見られる。
★1914年の宝塚歌劇団の組の花・月・雪という組分けもここから来ています。宝塚で5組並べるときは「花・月・雪・星・宙」の順番が基本です。
★なお、この雪月花に「風」を加えた「雪月風花(せつげつふうか)」という語も存在し、4つの文字それぞれが「冬(雪)」、「秋(月)」、「夏(風)」、「春(花)」の四季に対応している。