・・・8/25(水)~29(日)於:堺市立文化館で予定されていた第55回主題派「大作展」は、★10/6(水)~10(日)に延期となりました。せっかくなので、さらに大作展テーマ「不変」について深めていきたいと思います。
■東京五輪で思い出される「バカの壁」での指摘/文:椎名基樹/週刊SPAより
https://news.yahoo.co.jp/articles/59142d8390fddd1bcb6d2a259eecc55ed4f932b8
養老孟司の著書「バカの壁」(新潮社)は、約450万部を売り「平成で1番売れた新書」だそうだ。しかしこの本のメッセージが日本人に行き渡っているかと言えばそうではないらしい。東京オリンピックをめぐって、デザイナー、演出家、作曲家などが次々と失脚する騒動を見るにつけ、私はバカの壁の第四章★「万物流転、情報不変」の内容を思い出す。現代人は「情報は日々刻々と変化し続け、それを受け止める人間の方は変化しない」と思いこんでいるという。「情報は日替わりだが、自分は変わらない、自分にはいつも個性がある」と考えていると。しかし、これは実はあべこべの話であり、実際は「人間は常に変化・流転し、逆に情報は不変」であるというのだ。人間は成長し、老いてもいくし、経験によって考え方も変わってくる。だから、人間は日々変化している。一方、情報とは例えば言葉だ。昔の名言は、一字一句変わらぬまま現代に残っている。そういう意味で情報は不変と言える。インタビューを受けたとして、同じ聞き手に同じように聞かれても、話すたびに内容は微妙に変化するが、話した内容を収めたテープの中身は変わらない。これが生き物と情報の違いだという。「情報は日替わりである」と勘違いしているから、★現代人は言葉を軽んじてしまうのだ。東京オリンピックに関わったトップクリエイターたちが、過去の発言を掘り返され、ガラリと評価が変わり、むしろ軽蔑されながら失脚していく姿は、まさに養老孟司の指摘を体現している。彼らは、業界の評価を獲得し、または世間に多数の信奉者を得て、自らをゆるぎない存在だと思い込んでいただろう。羨望を勝ち取り、多くの収入を取得し、膨らんだ自我は、発言を尊大にし、自らの言葉に無責任になっていた。自分は何を言っても許される。言葉が自らの地位を脅かすわけがない。そして、その地位を担保するものは、自らの個性=才能だと信じていたはずだ。養老孟司の指摘する現代人の典型が、彼らトップクリエイターという人種なのではないだろうか。養老孟司の解説では、フランツ・カフカの小説★「変身」は、前述の現代社会の勘違いがテーマだと言う。主人公、グレゴール・ザムザは朝、目覚めると虫になっている。人間が流転することを「虫に変身する」という形でデフォルメしている。★虫になってなお、人間は不変だと信じて疑わない主人公は、「俺はザムザだ」と言い続ける。(中略)ただ情報が不変である事は間違いないが、それが事実の全てを語っているかと言えば、そうとは言えないとも思う。(中略)今回の騒動でそのバカさ加減が最も際立っていたのは、大会組織委員会だ。小山田圭吾の発言は10年も前から問題視されていたにもかかわらず、それに気づかずに起用してしまうなんて、その仕事の出来なさは迷惑にもほどがある。これも「世間の評価」をその人間そのものだと思い込み、それが絶対に不変であると勘違いしたことが原因であると言えるが、それにしても程度が低い。
・・・かなり過激な内容だったので、ちょっとホッコリする記事も紹介しておきます。
《虫の虫》著:養老孟司
専門書から『バカの壁』などのエッセイまで、多くの著作を持つ解剖学者の養老孟司さんは、大の虫好きでもある。箱根にある別宅は、膨大な標本が並ぶ「虫御殿」だ。虫の研究は専らここで行う。「ここにいる時は虫のことしか考えない。仕事も虫も、集中が大事」、『虫の虫』は一冊丸ごと昆虫づくしのエッセイ集。書き下ろしの「虫を見る」では、虫を見つめる視線から浮かび上がる世界を、脳のしくみから現代人の本質まで自在に語り尽くす。「ラオスで虫採り」は、昆虫採集の魅力、昆虫の生態や不思議な習性など、虫を追いかける喜びが詰まった紀行文だ。全編を通して、鮮やかな昆虫のカラー写真が満載。さらに特装版には、仲間とのラオスでの昆虫採集の様子を70分以上の大ボリュームで収録したDVDも付く。豪華な一冊だ。「虫からわかること、なんて言っても、実はわかったつもりで勝手にこうじゃないかと思っているだけ。言葉で説明できないことこそ大事なんです。最近はよく家の前でアリを見ているんだけど、面白いよ。本当に面白い」
・・・「虫の虫」購入、好きなものは迷わずゲットするスタンスは「不変」です。ははは
■カブトムシの鳴き声をご存知?いつどんなときに鳴くの?/イチのメモ帳より
https://ichinomemochou.com/4237.html
カブトムシの鳴き声を文字に起こすと、「シューシュー」「キィーキィー」「ギュウギュウ」といった感じに鳴きます。★求愛行動中に鳴くのは生き物にとっての不変の真理ですね。鳴くのはオスだけかと思いきや、オスもメスも成虫になれば鳴くと言われています。腹全体を伸び縮みさせ、羽とこすり合わせたときの摩擦によって音を出しています。鳴く虫の代表格であるスズムシも前羽をこすり合わせることで鳴きます。人が知らないだけで、カブトムシ以外の昆虫も同じような方法で鳴いているのかもしれません。
《Wikiより》昆虫は地球の歴史上、4億年前★動物の陸上進出が始まった頃に上陸した動物群の一つである。なお2014年11月の大規模な分子系統解析によれば、陸上植物が出現して間もない4億8千万年前には原始的な六脚類が現れ、昆虫は4億4千万年前、翅で飛ぶ昆虫は約4億6千年前、完全変態昆虫は3億5千万年前に出現した。
《JT生命誌研究館》
569-1125高槻市紫町1-1/072-681-9750
「DNAから進化を探る」/系統進化研究室
https://www.brh.co.jp/research/lab02/
地球上には数千万種の生物が存在していると推測されています。これほど多種多様な生物ですが、その起源を辿ってみるとただ1つの共通祖先から進化してきたものであることが分かります。我々は生物の系統進化(時間軸)と相互作用(空間軸)からその進化・多様化のプロセスとメカニズムを探っています。
陸上生態系で多様性を誇る昆虫。名のついたものが約100万種と全生物種の★6割を占め、そのほとんどが有翅昆虫である。5~4億年前、陸上進出した昆虫の祖先は何か。分子系統樹上、昆虫類に近縁なのは甲殻類であり、中でも淡水に暮らすミジンコなどの鰓脚類が最も近いと考えられる。海から河川などの淡水に移動した鰓脚類が、エラ呼吸から空気呼吸へ変わるための気門を獲得し、地面を歩くための脚を手に入れたのだろう。最初の昆虫は、現在のカマアシムシ、トビムシに近い無翅昆虫であった。間もなく昆虫は翅を手に入れる。昆虫類の系統関係から有翅昆虫の起源を調べた結果、無翅昆虫の中でもシミ目が有翅昆虫に近縁であることがわかった。この結果は、シミ目が有翅昆虫と形態的にも近縁であることと一致する。シミ目から有翅昆虫への分岐の枝は短く、翅の獲得後、短期間で多様化したと思われる。より詳細で信頼ある答を得るには更なる解析が必要だが、化石情報はこれを支持している。有翅昆虫は、飛翔能力と小さい体を活かして、地球上のあらゆる★ニッチ(隙間)を占め多様化したのである。昆虫上陸の基本戦略が見えてきた。
★生きるために酸素を必要としない多細胞生物が初めて発見される(イスラエル研究)
https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52290856/
地球上には★不変のルールというものがある。太陽は東から昇り、りんごは木から落ちる。そして、生物は生きるために酸素を吸う...はずだった。だがこちらは不変ではなかったかもしれない。 今年初め、クラゲに似た寄生虫が発見された。それは多細胞生物でありながらミトコンドリアDNAがなかった。つまりは呼吸をしない。生存する上でまったく酸素に頼っていないのだ。知られているものとしては初めての酸素呼吸をしない多細胞生物である。地球上に存在する生命の活動メカニズムについての理解が根本からくつがえるわけではない。しかし、地球外生命の捜索にとっては、大きな含みを持つだろう大発見だという。14億5000万年以上前、生命は酸素を代謝する能力、すなわち呼吸を発達させ始めた。14億5000万年以上前、生命は酸素を代謝する能力、すなわち呼吸を発達させ始めた。きっかけは大きな古細菌が小さな細菌を飲み込んだことだ。どういうわけか、それが両者にとって都合のいい結果になり、それ以降共存することにした。両者はともに進化を遂げ、やがて中に潜む細菌は「ミトコンドリア」という細胞小器官に変化した。今、人体の中にある赤血球を除くあらゆる細胞には、大量のミトコンドリアが含まれており、呼吸に欠かせない役割を果たしている。その役割は、酸素を分解して「アデノシン三リン酸」という分子を作ることだ。多細胞生物はこれを利用して細胞を機能させている。ゆえに「生体のエネルギー通貨」と呼ばれることもある、生物にとっては重要な物質だ。生物の中には、酸素が乏しい環境に適応したものもいる。たとえば一部の単細胞生物は、ミトコンドリアが関係する細胞小器官を酸素を使わない代謝(嫌気的代謝)のために進化させた。だが、同じことを多細胞生物もできるかどうかについては、ちょっとした争点であった。それもテルアビブ大学(イスラエル)の研究者が、「ヘネガヤ・サルミニコラ(Henneguya salminicola)」という寄生虫を発見したことで決着したようだ。(中略)酸素呼吸を捨て去るなど奇妙なことにも思えるが、こうした生物にみられる一般的な傾向とは完璧に合致しているという。彼らには★遺伝的に単純化する傾向があるのだ。長い年月をかけて、海中を漂うクラゲのような生物からずっとシンプルな寄生虫へと退化したわけである。なお彼らからは祖先のゲノムのほとんどが失われてしまったが、刺胞に似た複雑な構造は残っている。今日、それは刺すためではなく、宿主にぴったり張り付くために使われている。
・・・知らないこと、わからないこと、気づかないことがどれだけ多いか?いや、何も知らないと言ったほうがいいかもしれない。だから、何も変わらない?